最近の映画記録、TIFFの10日目にみた「女性たちの中で」のこと。ワールド・フォーカスのバスク映画特集の一本で、スペイン映画。
これは、評判が特に良かったので追加で観た一本。これにて自分のTIFFは終了。
舞台は1977年、スペイン側バスクのエレンテリア。
主人公の少女ベアは16歳。母はある資産家の邸宅の家政婦で、ベアもその手伝いをしている。
当時のスペインは中絶が非合法。違法な中絶をした女性の裁判が始まる中、ベアは中絶合法化を訴える女性グループに入っている。
ある日、邸宅の一人娘、年上のミレンと出会う。
一方、ベアの自宅には叔母が救いを求めてやってくる。
この叔母、実は自力で無理な中絶をして感染症になってしまっている。違法なので医者には行けないし、夫にも周囲の人にも話すと村八分にされる。地獄ですね。
憤るベアはデモ活動に力をいれるが…。
今度はミレンにも妊娠が発覚。
ミレンは最初産む選択をするのだが…という展開に。カトリックの男は避妊しないで、後始末は女。
この1977年、フランコ政権終了後の民主化選挙の時期、混乱の年なんだね。ベアの父はフランコ時代の政治犯のようで、収監されている。
ベア役の主演女優、ショートヘアでボーイッシュなのだが、瞳にこもる怒りが良いですね。バスジャックしてゲリラデモや、終盤の旅のシーンなどが特に良かった。
低予算とは思うが撮影やカラコレも良い感じ。時代の空気が上手く作れている。
正式に一般公開してほしい作品。