櫻

裸足になっての櫻のレビュー・感想・評価

裸足になって(2022年製作の映画)
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話すことができなくなっても、ことばは失わない。その目が、表情が、全身が、その身が表すダンスが、力強く物語っていた。まわりが自由を奪っていっても、ほんとうにはひとつの存在を縛ることはできないのだと思う。たとえば絶望のなかにいても、まばゆく陽光がふりそそぐのを感じ、海が波打つ音を聴く、空がいつのまにか青く澄み渡っているのに気づく。わたしたちは他の誰にもつかまれないその流れの一部として、ただ自分の中から湧き出たものをたよりに生きている。
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