きよぼん

哀れなるものたちのきよぼんのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.7
「クソ」みたいなことが起こりすぎて胃もたれした。

「さいあくー」とずっと声に出してしまいそうな映画だった。とにかく最悪なことが起こりまくる。自殺したばかりの女性に胎児の脳を移植されたベラ。その手術をおこなったバクスターには(ウィレム・デフォー)、彼女は人間ではなく実験体としかみられていない。人間的な教えを受けてないベラは、人前で股間に手を入れて悦ぶとか、言葉が出ない。

弁護士のウエダバースは彼女を連れ回し、その身体をもてあそぶ、その後もひどいことが起こったりで胃が痛い。目に見えるグロなシーンも多いけど、それより彼女の周りにいる人間たちの心がグロすぎるのよね。

重くなる話を幻想的な設定と画づくりで、不快で劇場を出たくなる一歩手前で寸止めしてるところは監督の手腕か。でも鑑賞後感がいいとは言えないけどな。

後半のベラの成長から、フェミ的な視点、自立する姿への感動、冒険譚として評価する声もある。それはわかる。わかるんだけど、

その前に大前提として、

「人間をオモチャにしたらあかん。それだけは絶対やったらあかん」

というのが、この映画へのシンプルな自分の感想
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