YasuyukiMuro

哀れなるものたちのYasuyukiMuroのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.9
久々の映画鑑賞は刺激的なこちら。ヨルゴス・ランティモスの作品は、鹿殺し、女王陛下〜に続き三作目かな。本作、毒気は一番強烈だったかも。

何となくダリの絵画を思わせるシュールで不思議な世界。身体は大人の女性、思考は完全なる無垢。そんなベラの成長物語。
不自然でアンバランスな成長が、動物としての人間と、人間らしい(?)人間、その両面を浮き彫りにする。無表情なのに感情豊か、ヨチヨチなのに地に足がついていく、、、無垢で真っさらな彼女は、旅の体験や書物を通じ世界の真実をスポンジの様に吸収し、既成の呪縛から自らを解き放っていく。

エマ・ストーン、女優魂みせていただきました!渾身の体当たり演技。既にオスカー女優である彼女が、更なる境地へ突き進む姿は、ベラの生き方とも重なり、ただただ脱帽。マークラファロと共に彼女の前にひれ伏したい。
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