YasuyukiMuro

最後の決闘裁判のYasuyukiMuroのレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.1
リドリー・スコット、2021年の作品。観たいと思いつつ見逃した作品。舞台は14世紀のフランス。夫のかつての親友に強姦されたという妻、事実は一つの筈なのに立場によって異なる受け止め方、、いわゆる「羅生門」方式というんでしょうか(最近だと是枝監督の「怪物」もそうですね)、被害者の夫、加害者、被害者、それぞれの立場から語られていきます。人は信じたいものしか見ず都合の良いようにしか解釈しない、、人間のそんな側面が浮き彫りにされていて、細部の違いをもう一度観たくなる。

アダム・ドライバー(加害者)、マット・デイモン(夫)、ベン・アフレック(彼らの領主役)といった米俳優の中に紅一点ジョディ・カマーという英女優が妻役を名演してます。

愛する妻のため夫は命を賭けて決闘裁判に臨む、、なーんて単純で美しい話じゃない。女性が虐げられる事が当たり前だったこの時代。同じ女性ですら耐える事、沈黙する事が当然と考えていた時代だから、夫が戦う動機も当然男目線(自分のプライドとか家の名誉とか)で妻の気持ちはどこか置いてけぼり。
妻マルグリットのその釈然としない内面がとても繊細に表現されていて(ジョディ・カマーの瞳で感情を表現する演技がとても良い)、やっぱリドスコまだまだ全然現役じゃんと改めて感じました←なんか偉そうだ(^_^;)

最後の決闘シーンの迫力は、言わずもがな滅茶滅茶凄いです、これだけでも映画館で見るべき案件だったなと改めて思います。
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