ひとりごとです

哀れなるものたちのひとりごとですのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

白黒の世界がどんどん色付いていく

欲を満たす為にその心へと従っていく

色が塗られていって鮮やかに
守られていた鎖から解き放たれて
自由に思うままに踊り狂う

目にしたもの
身体は覚えている
脳は理解を新しく増やしていく

社会的な考え方とは
人としての考え方とは

そこで笑うのはそこでそれを口にするのはそこでそれをするのは『おかしい』
けれどそれはどこかでそれが自分の中でも湧き上がったことがあるものだったりするのではないか
『おかしい』から押さえ込んでいるだけで
実はそれを面白く思ったり興味がなかったり
冷静に考えたら残酷だと言えてしまえるような感情や思考は確かにそこに存在している

どうしようもなく狂ってしまった
欲するあまりに
愛とは生きることとは真実とは嘘とは

見ないように触れないようにしていることとは
それをどうにかしたいともがいたところでどうにもならない現実とは

傷付かないように理解したように理解したフリをして本当の心には鍵をつけて目に映るものを制御して息をする

美しい世界
美しい器
からっぽのあなた

色とりどりなこの世界
何かがおかしくて狂っちゃってて

とても綺麗で不気味

今私の中にある正しそうな何かたちも実は造られたものなのかもしれない
ちぐはぐ 
残酷かも そうじゃいけないっていつの間にかそれを否定しながら生きてきたような
そう思っちゃってるのが楽しいような
そうでもないような わかんない

おもしろい