ひとりごとです

ボヘミアン・ラプソディのひとりごとですのネタバレレビュー・内容・結末

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

生きてきた中でクイーンの曲をアルバムやシングルのようなCDを借りたり購入したり進化した媒体で聴くこともしていなかった

けれどお話の中で彼らが吐き出すその音楽達は、刻まれたリズムたちは私の身体の中に脳の中にしっかりと刻み込まれていたのが分かった

音たちが踊る最初のイントロを聴いただけで「あ」と脳が直ぐにその曲を過去の記憶と一致させる

きっと1度か2度、それ以上かわからないくらい知らない間に彼らの曲は私の中で生きていた
そんな風に無意識に触れる場所がたくさんあったくらい本当に世界に愛されていたんだろう

観客と楽しみたい
俺は苦しいよ
歌が好きだよ
生きがいだよ
家族を愛しているよ
お前がいなきゃ俺がいなきゃこんなことにはなってないだろ

想いも夢も野望も希望も情熱も
音となってあの日からずっと紡がれて今でもこうして生き続けている

ビデオレンタル屋さんで流れていたクイーンのあの曲は、音楽を音楽と捉えられないくらいの幼い私に「楽しい」という感情に近いものを与えてくれていたように思う

何度も口にして、一緒にリズムを刻んだ
やっと今こうして貴方達と出会えて名前を知れて、映画を通して彩ってきた色に画面越しに本物ではなくてもその影に重ねられたものに触れられた

単純に、本当に単純に感動する
音楽って言語を超える
私は昔も今も英語を理解するのに時間がかかるけれど
いい曲、とか、素敵、だとか思う前に
聴いていて楽しくて、知ってる、とか
それだけでウキウキして
大人になった今その音やリズムが生まれた意味を辿ろうとしていて

何が言いたいのかというと
知らぬ間にクイーンの曲が私の中で生きていて、今の私がそれに気付けて、あの頃のただ音に乗っていた私を思い出してふと彼らと楽しんでいたのであろう時間に触れて感動している…ということ

音楽って、形として手で触れられないのに、宝物としてしまって置くこともできないのに、人の身体の中に生き続けてまるで人生を一緒に歩いていけるような
確かにあの時にも今にも形変わらず存在しているから

凄い、なあ
音楽が人間が生きる上で必要なのか、を問うている本があったけれど
それに確実な答えがなかったとしても

人間は生きるために何かを捨てて何かを得て生きているんだと思うから

こうして残っていた彼らの音楽は、私にとって必要な感覚、だったんじゃないかな

そしてそれを流していたビデオレンタル屋さんもどこかの場所も。