ギルド

開拓者たちのギルドのレビュー・感想・評価

開拓者たち(2023年製作の映画)
3.3
【力のある人間は何やっても許される正当性の変遷】【東京国際映画祭】
■あらすじ
20世紀初頭のパタゴニア地方を舞台に、先住民を殺害することを目的として旅する白人のグループの行動を、白人と先住民の間に生まれた若者の目を通して描く。チリの歴史の中で埋もれていた事件に光を当てた作品。

1901年、チリ。裕福な地主に雇われた3人の騎兵が、広大な土地の周囲に目印をつける。若いチリ人の混血とアメリカ人の傭兵、そして無謀なイギリス人中尉が率いるこの探検隊は、やがて "文明化 "のための襲撃へと変貌していく。
フェリペ・ガルベスの待望の長編デビュー作は、真実と歴史の違いを浮き彫りにするビジュアルで衝撃的な時代劇で、チリの植民地時代の重要な部分を探る。

■みどころ
植民地時代のチリを舞台に侵略をし続ける男たちとそこに付いていった白人と先住民の間に生まれた青年の目線で追った話。

お話の割には荘厳な自然と軽快なテンポで進行していくストレートな映画でした。

歴史で見える支配と被支配の関係性が刻一刻と変化していき、かつては恐れられていた上司もふとした拍子に思わぬ形で立場が逆転したり、武力を超越した存在によっていつの間にか支配と被支配が変わる姿を時代劇と武力の変遷を通じて描いている映画でした。

特に銃がこの映画では緊張感を与えるアイテムとして上手く機能していて、そういった所が良かったです。

とはいえ全体的に展開がワンパターンなのと後半の大統領府が出るシークエンスは作品のテイストが変わってやや蛇足に感じました。
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