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アポカリプトのMoviePANDAのレビュー・感想・評価

アポカリプト(2006年製作の映画)
4.5
『    RUSH
  ~今、愛を信じて~ 』

鑑賞を終えて、思いました。
この映画には、メル·ギブソンの映画に対する本気と執念が込められまくっていると!

この作品、メルっちがひとつ前に監督した『パッション』に続いて、製作前から大層話題でした(‘∀‘ )それは何故か?まずは、その舞台。何たって何故になマヤ文明。なおかつ、劇中言語に古代マヤ語を使っちゃおうって言うんですから!ボクも当時は「メルっち、なんでわざわざそんな面倒な事を?」って思ってたひとりです。

その前情報のせいもあってか、映画が始まりまず感じたのは「う~む、この世界観で約140分行くのかぁ…」という不安感でした。ただし『死霊のはらわた』のカメラワークをさらにスピーディーにパワーアップさせたような、森をぬうようなそのカメラワークには惹かれるものがある!とまあ、そんな風に観始めたわけです。

そして、約140分後…
「こっ、これは、とんでもねえ超アクションエンターテインメント映画ではないか…!( ̄□ ̄;)」

特異とも言える舞台と世界観。正直、ボクもそれに尻込みして今まで鑑賞を見送ってきました。しかし、特異だからこそ際立つアクション。そして、躍動感!メルっちがどこまで計算していたか定かではありませんが、この世界観“だからこそ”活き、感じられるものがありました。また、内包されたメッセージ性については、史実を基にした映画にしなかったからこそ、アクションエンターテインメント映画でありながら、後になってじわりと沸き上がる様な感覚を感じました。

超伝統主義のカトリック教徒なメルっちの事なので、本当に描きたかったのはあのラストで、むしろそこまでは壮大な前フリなのでは?とも思えちゃいます。言うならば自らの足で疾走する“FURY ROAD”な本作を、数多のアクション映画に出演した元祖“マックス”が撮ったからこその説得力!展開される追走劇は極上のアクションでありながら、主人公をその疾走に駆り立てるのは、何より家族への愛なんです!そこが良かった~!( ;∀;)


数ある戦うお父さん映画の中でも、このお父さんは一際若いのではないでしょうか?でもその設定“だからこそ”活きた部分が多々あったし、どうしても家族の元へ行かなければならないというのを超分かりやすい仕掛けで描いた事がしっかり効いてました!ほぼ拷問に近い描写は、人によっては目を覆いたくなる場面かもしれません。しかしながら、それらの場面は決して不要なグロではありません!その辛さの積み重ねがあったからこその超疾走感!抑圧と解放の関係性というものが好きならば、この映画最高に楽しめるはずです!メルっちの監督最新作『ハクソー·リッジ』が上映になる前にぜひ(*゚∀゚)=3
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