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ザ・クリエイター/創造者のkoyamaxのレビュー・感想・評価

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
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Aiに愛はあるんかい?みたいなとこから始まって。

人間の知的産業が機械にとってかわられる時、
人間は機械と共存するのか、脅威に思うのか?

絵空事ではなく、リアルにビジネス、教育、医療、芸術 恋愛と
AIによって色々な環境が変わりそうな昨今。

Ai導入いいの?悪いの?みたいなことが身の回りでも問われがちなので、鑑賞。

人間の知能を凌駕する何かというよりも
ここで描かれるAiは「人間じゃない部族」という感じです。

描かれるのは知らない領域を無闇に恐れる人間の蛮行。
ある種の「AI」という新しい部族に対抗する旧来部族。という構図。
その中でどっちの思いにも共鳴し始める主人公的な。
「アバター」や「ダンスウィズウルヴス」にサイバー感を足した感じの展開でした。

想定したものと違い、A i自体やAiを取り入れた先の未来の営み。それそのものを描くというより

割と物理的な戦いによる展開で80年代、90年代くらいのローテクSFな要素が多いので、少し時代錯誤感がありましたけど。
便利さを享受する一方で昔はよかったという人もいる。
結局現実もAiによるシンギュラリティが迫るのどうのこういって新しいビジネスモデルの提唱に関して拒否反応を示す人もいる。
ここで描かれる人間のAIに対する蛮行はそのあたりのメタファーと言えなくもありません。
そして人間同士による古臭い戦争も終わらないので、描かれている戦場はある種の真理かもしれません。

技術を使って、心を満たされたいだけ。みんなと繋がりたいだけ。豊かに暮らしたいだけなのに。。
まさにSF大作と言っても過言ではない本作ですが、
多分この監督はこれがやりたかったんだろうというはっきりしたシチュエーションとそのビジョンが絵として明確にあったのでよかったです。
微妙な後味があり、そこまでのカタルシスはありません。
ですが、それ含めて提示するものだとするならば。
レディオヘッドの曲の使用も全てが腑に落ちましたよ。
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