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ミッドナイトムービーのwigglingのレビュー・感想・評価

ミッドナイトムービー(2005年製作の映画)
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『エル・トポ』『ピンク・フラミンゴ』『イレイザーヘッド』といったカルト映画隆盛の礎となった深夜上映館周辺のシーンを描いたドキュメンタリー。

70年代にこれら異形の映画が誕生した時代背景が非常に良くまとまってます。どんな人が何を考えて作り、誰が何処で上映し、どんな人達が観てどう広まったのか。それぞれが特に影響し合う事もなくバラバラの場所で生まれた作品がこうしたシーンを形成していく様が興味深い。

いわゆる目利き的な存在、場としての小屋、それをバイラルするクチコミの3本柱ですよね。この3要素のバランスが非常に良かったのがあの時代だったんだろうなと思う。今はネットの発達でクチコミの伝播力も大きい代わりに一瞬で古くなってしまうのが当時と一番の違いなのかなと。半年とか1年とかのロングランなんて今は想像もできないもんなぁ。あと、当代一の目利きである川勝さんが亡くなったのも大きい。

日本でこれに相当するシーンは存在しなかったと思うけど、個人的には俳優座シネマテン(その後、俳優座トーキーナイトに改名)は形態的にもプログラム的にも近い雰囲気があったと思う。六本木の俳優座劇場でレイトショー時間限定で通好みの名作やカルト映画をかけてたんだよね。残念ながら客席はガラガラだったけど。本作を観てなんとなく思い出してしまった。

紹介される作品6本中2本が未見でヤバイ。ダメじゃん俺。
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