ミッドナイトムービーの作品情報・感想・評価

「ミッドナイトムービー」に投稿された感想・評価

Ukosaaan

Ukosaaanの感想・評価

3.7
深夜映画で花を咲かせたカルト映画たちに携わった人々のドキュメンタリー。
ジョンウォーターズの若い頃がイケメンで驚いた。
真夜中映画(ミッドナイトムービー)は、現在の映画界に多大な影響を与えた。


『エル・トポ』
『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』
『ピンク・フラミンゴ』
『ハーダー・ゼイ・カム』
『ロッキー・ホラー・ショー』
『イレイザー・ヘッド』
もうレジェンドばっかだね。

60年代後半から70年代のアメリカ。
この当時のアメリカは混沌としていた。
ケネディ大統領、キング牧師の暗殺。
ベトナム戦争の勃発。
南北戦争以来最悪の暴力的な混乱。
そんな中、真夜中上映は若者の心をつかみ社会の不安を代弁し、はみ出しものの居場所を作り出した。

ミッドナイトムービーは、流行れば10年はずっと上映が続く。
映画館の在り方が日本とは多少違うが、その年数を見ても驚くと思う。
高尚な映画や娯楽性の高い映画ももちろん素晴らしいが、本作で紹介されるような下劣で暴力的な映画もいつしか望まれて生まれ始めた。
その草分け的な存在の『エル・トポ』はほんと化け物。
ホドロフスキーは天才だよ、ほんと。
そして余計なことをしたジョンレノンね。

本作で紹介される映画たちは、この時代の深夜での上映だからこそ生まれた価値がある。
これらの作品が真っ昼間からやってるのはなんか違う。
その時代に合った作品やメッセージがあるわけなので、これらの作品もやはりあの時代に見事にはまったってこと。

SNSなどないあの時代。
若者が集まる場所は深夜の映画館で、学校や職場にいるよりも仲間が見つかる。
そして映画たちは、そんな彼らに説教することなどせず温かく受け止めてくれる。

本作で一番印象に残ったのは、『ピンク・フラミンゴ』の監督のジョンウォーターズのセリフ。
「僕は変わってないよ、ユーモアは同じだ。社会(アメリカ)が変わったんだ。」

カルト映画を作るのは観客。
映画は一人で観るのも楽しいけど、やっぱり誰かと観るのはもっと楽しい。
この当時の劇場には、ラリってる奴らばかりらしいので、楽しいの意味は多少違うんだろうけどね。笑

ミッドナイトムービーが衰退した一番の要因は、レンタルビデオの普及。
家でいつでも自由に観ることができるようになった。
でもやっぱり『ロッキー・ホラー・ショー』は一人で観ててもつまらない。
日本でも、劇場上映があるみたいなのでいつか行ってみたい。
今でこそ浸透した観客参加型の映画は、この当時でも存在していた。
ミッドナイトムービーは色んなものを生み出したんだろうな。


ドキュメンタリーとしても中々面白い。
この当時をもっともっと知りたくなるなあ!!
当時の時代背景とともに、監督たちが自らの作品やお仲間作品について語り尽くす。
自分たちが作りたい映画が作れた時代。
今観ればバカみたいなことかもしれないけど、映画と現実がクロスして何よりも輝いていたあの時代。
現実は暗がりだったが、映画が明るく照らしていた。

カルト映画と呼ばれ、とにかく常識破りの映画ばかりだが、この映画たちが映画の可能性を広げ新たな道を開いた。
傑作は夜、生まれる。
Arisa

Arisaの感想・評価

4.4
最高のドキュメンタリー!

ロッキーホラーショーの深夜映画行きたい( ;∀;)

大好きなカルト映画達と監督のキラキラしたコメント、深夜映画全盛期当時の映像にわくわくしました。
『イレイザーヘッド』や『ロッキー・ホラー・ショー』、『ナイト・オブ・ザ・リヴィングテッド』『エル・トポ』『ハーダー・ゼイ・カム』などいわゆるカルト映画と呼ばれている名作たち。これらの共通点は従来の映画の体制から逸脱した内容と作風があったこと、そしていずれも「深夜枠」として小さな劇場で公開され、口コミで評判を広げていったこと。そんな伝説的な深夜映画の裏側に迫ったドキュメンタリー。

めちゃめちゃ面白かったです!!リンチ、ウォーターズ、ヘンゼル、ロメロ、リチャード・オブライエン、そしてホゾロフスキーというカルト映画界最強の5人のクリエイターたちが作品について余すところなく語ってくれる骨太な作品でした。
どう見ても大衆ウケはしなさそうな作品たちが、どうして40年以上経った今も熱狂的な人気を保ち続けるに至ったのか。そこには私たちの想像を遥かに超える苦労がありました。
史上最低の映画の呼び声も高い『ピンク・フラミンゴ』の監督であるジョン・ウォーターズが「僕の使命は、悪趣味の中に1%の尊厳を与えること」と仰っていて、もうその一言に本作の全てが集約されている気がしました...!(笑)確かに悪趣味な映画かもしれないけれど、その中に最高のユーモアだったりスリルがあるわけで。それを突き詰めて、観客を楽しませるべく映像化した監督たち。従来のハリウッドのやり方に捉われてていたら決して完成しえなかった名作たちの数々の裏側に、こんなにもクリエイターたちの情熱があったのかと思うと胸がいっぱいになります。
そして、暴力的な描写や下品な描写が含まれているリスクを侵して、劇場公開にまで踏み切った当時の小さな映画館の支配人たちの勇気にも感服。
1970年代当時、デヴィッド・リンチはじめ、作品へのこだわりが特に強い監督たちは、自分の持っている世界観を表現するのはとても大変だったかと思います。しかし、この深夜映画の枠を通して少しずつ自分の追い求めるものを具現化していき、巨匠として名を馳せている現在。それを思うと、いかに当時のミッドナイト上映が重要なものだったか痛感...!

個人的に意外だったのが、『ロッキー・ホラー・ショー』の映画版は元々メジャー向けに作った作品であり最初は大コケしたけれど、何年もかけて観客たちの間にその人気が広まり、最終的にカルト映画になったというお話。てっきりコアファンに向けて作っていたと思ったら、そうじゃなかったんですね!最終的にきちんと評価がされてよかった...(笑)。

カルト映画ファンは必見の骨太なドキュメンタリーです!!
NOVA

NOVAの感想・評価

3.8
エルトポを始めとする、キワモノカルト映画のドキュメンタリー。
イレイザーヘッドについてのリンチの貴重なコメンタリーもあったし、見てよかった。
あとジョンウォーターズ監督は筋金入りのヘンタイw
ソウタ

ソウタの感想・評価

3.2
カルト映画特集。これを見てカルト映画にハマったので、カルト映画の指南書みたいな部分もある。

このレビューはネタバレを含みます

『エル・トポ』『ピンクフラミンゴ』『ロッキーホラーショー』『ナイトオブザリビングデッド』『ハーダーゼイカム』『イレイザーヘッド』に焦点をあてた、70sミッドナイトムービーについて、当時を振り返る映画。
エルジン劇場では観客がみな大麻を吸いながら映画鑑賞をしていたらしい。そうか、ああいう映画はトリップしながら観るものなんだよなあ、ちょっと羨ましい。吸わないけど。
登場する監督がそれぞれに魅力的で素敵だった。

ロメロ「フィルムを首に巻くのが大好き」
リンチ「映画が完成してからが僕にとっての悪夢だ」
それから、ホドロフスキーの破茶滅茶なスペイン英語。
エルジン劇場でハッパ吸いながらカルト映画観たかったなージョンウォーターズの若い頃ってホントカッコいい
dodo

dodoの感想・評価

5.0
深夜映画と呼ばれる、エルトポ、ピンクフラミンゴ、ハーダーゼイカム、ロッキーホラーショウ、ナイトオブザリビングデッド、イレイザーヘッドと、その監督のドキュメント。
好きな映画ばかりだ。
別にカルトと呼ばれる映画がすきなんではなく、目と耳と脳に強烈に刻まれていく感じがすきなのだ。
どの監督も、強烈な個性、ユーモアがあり、魅力的だったが、ホドロフスキーが中でも素敵だった。
niwarie

niwarieの感想・評価

4.0
ジョージAロメロが、、、お亡くなりに、、、

このドキュメンタリー映画からは当時のことを知らない私たち世代には、とても興味深い話ばかりで、映画=ハリウッド大作や映画祭という枠だけに収まるものだけではない魅力的で衝撃的な作品が、数多く産み出されてきているということを知れる1本。

彼らの作りだした(ミッドナイト)カルトムービーというジャンルは、
アート系のミニシアターで深夜上映されていたものばかりらしい。
SNSなどない時代に、観客の口コミと楽しい夜遊びから始まった熱量を、また新たに引き継いで作り出していく世代で私たちもありたいと思ってしまう。、

ジョージAロメロがいなかったら、ゾンビという設定が存在しないので、
今ごろどハマりな(ドラマシリーズだけど…)ウォーキングデットも、コメディさ最高で大好きなショーンオブザデッドも、怖グロな死霊のはらわたもドキュメンタリー調ホラーなブレアウィッチプロジェクトも、最近のB級映画で大好きなターボキッドもゾンビーバーも、マイケルがお墓から現れてゾンビダンス踊ることもなかったし、桐島が部活やめようとやめまいとゾンビ映画撮るし!ともなってないだろうし、、マッドマックスすら今のような形ではなかったかもしれない。。言い過ぎかもしれないけど、、ゾンビ映画あってこそのガーディアンズオブTHEギャラクシーに至るまでのSF的特殊メイクも、ともに発展してきたんじゃないかなと思ってる。
音楽ライブ映画監督としても大好きなジョナサンデミとロメロは今ごろ羊たちの沈黙を酒の肴に飲んでいるんだろうか、、、ミュージシャンもそうだけど、これからどんどん好きで尊敬している作家達が旅立っていってしまうのかと思うと哀しい。

ここで語られている監督さん達の作品が今後も語られ続けていくことを願っています。またこのドキュメンタリーもここに登場する作品たちも観直したい。ここで取り上げられてる映画、どれもクレイジーでエネルギーの塊みたいで、みんな好きです。

この映画の中で、自身のバイオグラフィーを楽しそうに話すジョージAロメロ☟

「Midnight Movies: From the Margin to the Mainstream Clip」

https://vimeo.com/11355546?ref=tw-v-share