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市子のudonのネタバレレビュー・内容・結末

市子(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ぜっったいにフィクションなのに、説得力を持たせてしまう、そんな杉咲花ちゃんがすごい。

ただ、長谷川や北くんをあそこまで熱くさせる市子の魅力はなんなんだろうね(特に北くん)。悪魔の一言で片付くのかしら。
でも市子のあの溶けるような(?)関西弁で、あの瞳で見つめられたらハマっちゃうかもしれん。
北くんのターンのとき、急に市子を主観的にみるじゃないですか(カメラ的に)。そのときやっぱり、我々もなんか魅了されそうになったよね。

それか長谷川や北くんの方が特殊って感じかにゃ?ふたりとも嘘みたいな行動してるのにこのふたりもちゃんと説得力あって、キャスト陣みんなすごいや。

限界だったら何でも逃げていいわけじゃないよ〜と思いつつ、限界の人間に選択肢は浮かばないのだろうとも思いつつ。諸悪の根源であろう市子の母親を責めることもできない。

何が正解なのかはわからない。長谷川や北くんは別に正解じゃない。案外市子が梢ちゃんやキキちゃんを好意的に思っていて驚いたが、彼女たちは正解と言っていいのかな?

すべては、生き抜くために。というフレーズも、観終わってから考えるとそんなに魅力的じゃない。
生き抜くために色々決断してきたのかなと想像していたけど、決断とか選択とかじゃなくて、ただ生き抜くためにそうなってしまった。としか。
全体的に出てくる人の感情あんま分からなくて、事実だけが明らかになっていく感じだよね。

どこにも共感できるような部分はないので、いつも共感できたポイントを掘りがちなアタイ的にはあんまり書くことがない。。

パンフを読んでみると、市子のような人が自分の近くにもいるかもという想像力を、、と書いてあった。
いや、それはいるかもしれない。でも、私は長谷川や北くんのようにはならない。きっと一定の距離をとりながら。佐々木インマイマインや前科者を見たときにも思った。私は、自分に掬い上げられない人からは距離を取る。梢ちゃんのように。
あーでも、距離をとりながら、キキちゃんのように無責任に接することはするかもしれない。文字にすると自分って本当に薄情やな。笑

あとパンフは、市子年表がとにかく最高だったので、観た人は全員買って読むことを勧めたいレベル。

あと市子自身の視点のとき、長谷川ありがとう、と思いつつ、シンプルに長谷川かっこよすぎて長谷川と付き合いたい!!!という不純な気持ちがよぎってしまいました。

きっとあしたはーいーいーてんきーの鼻歌耳に残りますね。
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