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Lost Senses(原題)のkuuのレビュー・感想・評価

Lost Senses(原題)(2013年製作の映画)
4.0
『Lost Senses』
製作年2013年。上映時間6分。
ジョルジョ・デ・キリコの絵画のように様式化された抽象的な世界での出会いを描いた短編アニメーション。
監督はマルチン・ワシレフスキは、
『Kajko i Kokosz(2021年)』、
『Mami Fatale: Pod fatna Bandera(2012)』、
『Zmysly prysly』(2014)でその道?で知られているそうです。

男は抽象的な空飛ぶ街で女に出会う。
恋人たちは出会うことができるのだろうか?
男はパルクールのビギナーのように懸命にビルをよじ登る。
一瞬の油断が彼の感覚を狂わせる。
そしてチャンスも。

善き友が教えてくれ、直ぐに鑑賞しましたが、フィルマークスには投稿欄がなく、感想はそのままになってましまが、先ほど検索したら欄がありましたので、早速、感想を。
個人的にデ・キリコに影響を受けた一人なので、教えてくれた友には感謝!!

抽象的な都市での情愛に満ちた出会いが、イタリア人画家の絵画に命を吹き込む。
デ・キリコの絵画の愛好家にとっては逸品でした。
おそらく今作品は、ジョルジョ・デ・キリコがパリのアンデパンダン展、サロン・ドートンヌに出品し、詩人で美術評論家のギョーム・アポリネール(キリコはのちに彼と親交をむすぶにいたる)に注目され、初めて絵の買い手が現れた頃の
『グレート・タワー』(1913年)、
『愛の歌』(1914年)、
『ある一日の謎』(1914年)
などの作品にインスパイアされたと思われる愛と記憶の物語でした。
この冒険物語の脚本はポーランド人のロベルト・ヤシュチュロフスキとウカシュ・カプロヴィッチが執筆し、マルチン・ワシレフスキが監督を務めたそうで、数々の映画祭で上映されたほか、SIGGRAPH 2013 Animated Film Festivalで審査員賞、ポルトガルのFestival de Cinema Avancaで最優秀アニメーション賞を受賞している。
知らなんだ。
実のところ、観てみればそれは当然のことなのかもしれない。

デ・キリコの形而上学的絵画では、空間は孤独な抽象画として現れ、しばしば理想的で過疎化し、建築物の形態や、有名なマネキンのような非人格化された人間の姿の間に物体が並置されている。
今作品は、この形式的で超越的な空間、空、官能的な統一が崩れた場所で、愛の出会いを探す物語でした。
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