台湾出身の両親のもと、アメリカで暮らし大学では父親の後を継ぐために、医者を目指す真面目なエバー。
本当は、ダンスをやりたい夢を持っている。
そんなエバーを、両親は台北へのサマースクールに送り込む。
初めは、気が進まなかったエバーも、友達の自由な行動とともに台北の夜を満喫するようになる。
素敵な台北での青春グラフィティ。
まだ夢いっぱいのアジア人女性の純真さが、素直に微笑ましいアメリカ映画。
もうクールな場所は、アイビーリーグからアジアに移っている。
台北の魅力も満載で、素敵な時間を演出する。

アメリカから台北に留学したら全員がアジア人で……故郷じゃないのに故郷に来た気分。
そんなエバーが現地でできた友人達と台北の街で遊んだり、規律に厳しいドラゴン校長の監視の目をかいくぐりながら恋愛やダンスの道を究めたりする。ちょっと何言ってるか分からない。

要するに、海外留学に行けるぐらい家が金持ちの人達が自己実現のために同じ学校で学んだり学ばなかったりする遠い世界のお話。

あまり何かを得られる映画ではなかったけど、台北に行った気分になれる可能性はあるので旅行代わりにはいいかも。

内容は良くあるラブコメだけど、これアメリカの映画なんよな。アメリカで作られたアジア人のラブコメ。『パストライブス』のインタビューでアメリカではアジア系男性はオタクかコメディか運動神経がいいかのどれかを求められて普通のアジア人男性の役がないってユ・テオが言ってた。そしてアジア人男性は性愛の対象にはならず、それはアジア人男性の人間性の否定の表れだよね（意訳）って言ってたけど、ニコヒラガはいつもそれらをクリアした役やっててもっと評価されていいのではって思う。今まではわりと作品自体がそういうテーマ背負ってるなかでのそういう役だったけども、『ラブ・イン・タイペイ』は割と普通のラブコメで普通にアジア人が恋愛してるなかでヒロインの相手役をやってる。それが地味にすごい。もちろんそれを作った制作チームも。でも、ニコヒラガは確実に「そういう」作品選びをしていると思う。だって『モキシー』で『POWER』だもん。でも本人にそういう気負いがなさそうなのもいい。信頼できすぎる。好き。

ニコヒラガ、所謂イケメンというタイプではないんだけど、すっごく魅力的なのよな。キュートでヘルシーでセクシー。メロい魅力がある。『モキシー』みた女みんなニコヒラガの女になってたやろ？ここでもあんときみたいなヒロイン見守り系男子で新世代のヒロインの相手役という感じで良い。俳優がみんなメロい演技できるわけではないのいっぱいラブコメ見て知ってるので、ニコヒラガはこのメロ能力これからも遺憾なく発揮していってほしい。

『愛をこめて、キティより』もアメリカ資本が作ったアジア人が恋愛するドラマだったと思うけど、ティーンの世代から徐々にこれがスタンダードになりつつあって良いことだなと思う。

ストーリーはサラッとして見やすかったし、映像も綺麗で全体的に爽やかでよかった。