クラフトマンパンダ

ミシシッピー・バーニングのクラフトマンパンダのレビュー・感想・評価

ミシシッピー・バーニング(1988年製作の映画)
3.6
3ヵ月ぶりにRespectシリーズ8作目。


今回はフォローして頂いているAさん。
いつもレビューを拝読し 感じるのは映画、映画に携わる人達への愛情とリスペクト。
現在約390作品をレビューあげておられる中、スコア4 . 8以上の作品が98作品。
4本に1本はスコア 4.8か5.0です。

それに対しスコアが3.0以下なのが僅かに11作品。

基本どの作品に対しても敬意をもって
おられるのを感じます。
後 音楽にも造詣が深い方です。

98作品からの選択で迷いましたが、
60年代の🇺🇸南部の闇、強烈な人種差別を実際に起こった事件をベースにして描いた本作『ミシシッピー・バーニング』をチョイス。

本作の設定 1964年は🇯🇵は東海道新幹線が開業され、東京オリンピックの開催された年。
アメリカでは暗殺されたケネディに代わって大統領に就任し、人種差別に否定的だったリンドン・ジョンソンが粘り強く推進し、民主党・共和党の北部議員による超党派の協力により成立した公民権法。
アメリカ国内において人種差別を禁止する法律。1950年代以降にアメリカ国内で活発化した公民権運動を背景として、1964年に連邦議会で成立した。

その1964年当時 アメリカ全50ある州の中でも最も黒人に対する差別、嫌悪感の強い南部のミシシッピー州。
そこで起こった公民権運動家の失踪事件を
調査しにFBI捜査官2人がやってくるストーリー。
黒人はもとより ユダヤ人、アジア系民族や黒人の人権を尊重する白人ですら迫害される狂った世界。
ストーリーの最初からずっと吐き気がする程の酷く、惨たらしい惨状。
登場する白人の中高年親父たちの黒人や
FBI捜査官、マスコミたちに対する敵意剥き出しで馬鹿にしたニヤケ面は本当に知性も教養も感じれない醜さ。
(映画ではキャストの演技が上手い故だが、実際もそうだったことは想像に難くない)お前らこそ下等動物だろと言いたくなるほど卑劣で残忍でアメリカを嫌いになりそうだった。

ストーリーは実話をベースにしているので
特に抑揚はなく淡々と進み、皆が想像する感じの結末ではある。
自分は誠に恥ずかしながら歴史に無知で、日本のことですら自分の生前のことにあまり興味を持たずにきてしまったので、他国の歴史など本当に勉強不足で黒人差別の歴史なんかも最近になって『グリーン・ブック』や今作を通して知ったことも沢山あり、今更ながら憤りを感じる。
そういった意味でもエンタメ作品ばかりではなく今作のような考えさせられる作品を観ることも必要だと思いました。

限られた時間内に収めるためには仕方ないとは思えど、今作自体が35年も前の作品で60年前が舞台の映画でもあるしでセリフや場面の繋ぎなどが色々チグハグに感じる部分があり、素人が勝手なことを云うならば 大切なことを訴えかける作品なのだからもう少し長編にしてもっと丁寧に描く、もしくは時間が限られているのならばもう少し大事な部分にスポットをあてて、シャープに描いた方がすっきりしてどの世代にも観やすい作品になったんじゃないかと思ったのと80年代末期の作品にしては音楽があまり効果的に使われていなかったのがスコアのマイナスポイント。

ですが、この作品もAさんがレビューをあげておられなければ絶対観ることはなかったと思います。
今作を知って鑑賞出来て本当に良かったです。



悲しいかな、今なお続く人種差別。
人間って愚かな生き物だ😓



       24' 2月15日 19時44分。