ホロコースト生き残り証言者シリーズ3
ドキュメンタリー
「ユダヤ人の私」
「ゲッベルスと私」
本作、「メンゲレと私」
ダニエル・ハノッホ 91歳
ホロコーストサバイバー
『感情豊かだと生き残れない』
『サディスティックで残虐なのはドイツ人の気質なのか?』
ハノッホさんが最もキツかったこと
・一般人のごくごく普通の顔をした人たちが残酷だった。
・カニバリズム
オーストリアにいた時、ルーマニア人が…。
・人の生死を選り分けていたメンゲレ、軍服やブーツなんかをピシッと着ていたが、顔を見るとミイラのようだった。
・死の生産ラインに居たこと。毎日毎日、死体の山をカートで1日中運ぶ仕事。
赤十字が偵察に来たが助けてくれなかった。誰一人助けてくれなかった。
・人間を番号で呼び管理すること。人の尊厳を完全に否定する行為。
44ヶ月、何とか生き抜く。
その後アメリカに渡った後、イスラエルの地へ。奥さんに出会う。心から幸せそうに微笑んだ。
ハノッホさんがよく聴いていたと言うエンディングに流れた唄は、ロシアの唄だった。
ほぼ独白だったが、ラストまで聞き入ってしまう。撮影はバストアップのみ。ライティングが非常に美しかった。
老いても若い頃は整った顔立ちだったとわかる。幼少期は人目を引く金髪の美少年だったようだ。
労働力のない子供が生き抜く術は、恵まれた容姿と、恐怖を他人に見せず自分を強い人間に見せること。
この2つでホロコーストを何とか生き延びた。
声を荒げることもなく、終始穏やかだか、
人の心の真っ黒な闇、その深淵を少し覗いてしまったような気がした。
ワンシーンだけ目にうっすら光るものが…。
ハノッホさんはトラウマはないと語る。…メンタルは?
余りに過酷で感情が凍りついてしまったのだろうか。
人格を粉々に砕いてしまう戦争とは、、?
まだホロコーストから1世紀も経っていないのに、またガザで戦争が起きている。
今作を観るきっかけになったTVに、ハノッホさんが出ていた。
今作の紹介と、
今のガザ、イスラエルとパレスチナの戦闘について。
ハノッホさん自らテレビカメラにメッセージをくれた。
『とにかく、平和を』