ククレ

アメリカン・フィクションのククレのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

アカデミー賞をとったから観てみたけど…。やっぱりアカデミー賞はアメリカ人のためのものやね。テーマの本質は、多分日本人には実感できないストーリーやで。
今のアメリカが抱える様々な課題が盛り込まれてるんやと思うけど、私は全然理解できなかった…。

以下はネタバレ…






主人公が魅力ないなぁ。ずっと苛立っていて皮肉ばかり。誰に対しても冷ややかで上から目線。全然共感できなかった。

認知症の母、急死する姉、ゲイの弟、急にできる恋人、家政婦の結婚…家族についての描写がダラダラとテンポ悪くてつまらんかった。きっとアメリカの社会課題の「縮図」みたいな家族なのかも?知らんけど。

覆面作家として「FUCK」を書くことで、「黒人作家による純文学よりも、白人が喜ぶベタで低俗な黒人サクセスストーリーの方が評価される」ということへの反発。あざ笑うつもりが、あれよあれよとヒットしてしまうのはおもしろかった。「ポリコレ」とか「多様性」とか「感動ポルノ」とかを皮肉った展開は楽しめた。

でも、その小説の内容はアメリカ人には想像できるのかもしれへんけど、私はそもそも「ベタ」が何なのかわからん!逃亡犯が書いた自伝みたいな小説?なんでそんな胡散臭い作品が受賞するの?アメリカっておかしい…。

ラストはメタ的な展開に。受賞式での告白のシーンは突然暗転し、「映画の脚本」として何パターンか見せられる。そして、プロデューサーからは撃ち殺されるオチだけが絶賛される。
つまり、この映画自体が「黒人映画を揶揄したフィクションなんだ!」というメッセージなんやね。

うーん…なんと言うか…これで「アカデミー賞脚色賞」をとった、ということ自体こそが、壮大な「オチ」なのでは?そういう意味では大成功やね。
ククレ

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