horahuki

サンクスギビングのhorahukiのレビュー・感想・評価

サンクスギビング(2023年製作の映画)
3.7
記録です。

『ハロウィン』でスタートしたかと思いきや『ゾンビ』をリアル人間でやっちゃう冒頭のセンスが最高だし、『スクリーム』なミステリーを土台にして、「そうはならないでしょ?」なツッコミ待ちの笑えるグロで過剰に味付けした楽しいスラッシャーで大満足!元となったフェイク予告のシーンもいくつか盛り込まれていて好き。

巨大スーパーのブラックフライデーセールで大暴動が起き、複数の客と従業員が死んだ大惨事から一年後。感謝祭は中止すべき!なデモが行われる中、先の暴動で欲望まみれな醜い姿を曝け出した人たちが次々に仮面殺人鬼に殺されていく…いったい誰が犯人なのか?っていう古き良きパターン。

ブラックフライデーセールってあんなに大盛況なんだってことに驚いたし、みんな死に物狂いでワッフルメーカーを奪い合ってたけどそこまでして欲しいものなんだ😂冥土の土産にするつもりなのか、死にかけ状態でワッフルメーカーをゲットしたものの強奪されて息絶えるオッサンが何より可哀想だった…なんでワッフルメーカーにそこまで情熱を燃やせるんだろ…😅オッサン本当に家でワッフル作るの?奥様に言われたのかな?

『スクリーム』と大きく異なるのは殺人鬼の手際の良さ。その場を熟知していなければ出来ない流れるような連携動作をターゲットに繰り出すのは仕事人的で、『イコライザー』とかあの辺りの職人気質なアクションをスラッシャーに(緩やかに)持ち込もうとする意図を感じる。それでいて合間にミスを挟み込むことでホラー演出の体裁を整えているというか、殺人シークエンスに至るまでがエコ気味な分、初撃の強襲感を敢えて見せてからの構成を狙っているように感じた。

とはいえ割と多種多様で、職人技で速攻で終わらせるものもあれば、ロングショットと空間の広がりそして安全と危険の境界の位置どりを意識させることで盛り上げる正当なものまであって飽きさせないバリエーション。基本的にどれもオチが因果を誇張したグロで笑いに振ってるのもエンタメって感じで好き。それでいて腹裂き腸ドロに至るまでにもわざわざ手の支柱の崩壊を挟むこだわりとか、ミスを挟んだ後も含めて状況をコントロールされている感覚とか楽しさ&バカバカしさ追求の中で理論的に組み立ててるように見える。この辺りが多分『キャビンフィーバー』とかの頃のイーライロス感なんだろうなーって思った。

コメント等スルーしてください🙏
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