horahuki

The Town That Dreaded Sundown(原題)のhorahukiのレビュー・感想・評価

3.5
フォローさせていただいてる方にアマプラのMGMチャンネルで視聴可能と教えていただき鑑賞!邦題は『月光殺人事件』。戦後間も無くの時期に実際に起こった未解決事件である『月光殺人事件』を着色して、再現映像的に映画化した1976年製作の同名映画が毎年のように上映されている世界線。2013年、その模倣犯が登場。ターゲットにされた主人公女子が犯人の謎に迫るスラッシャー×ミステリーという『スクリーム』的なやつ。

オリジナルが、スラッシャーの定型が定型となる以前の作品なこともあって独特な作風だったからか、本作も脱定型的なやり口を試みているように感じた。そもそもこの手の殺人鬼が銃使うのってレアだもんね😂しかも普通に喋りかけてくるっていう。過去作にもあったトロンボーンの先にナイフをつけてグサグサ刺しまくる殺し方もしっかりあったし、作中で流れてる過去作映像でもトロンボーン採用されてたし、製作陣どんだけトロンボーン好きなんだろ笑

テキサス州とアーカンソー州の州境に位置するテクサーカナの立地に着目して双方の警察の意地とプライドみたいなものが事件解決を阻んだ…的な解釈を加えていて、実際のところは知らないけれど、その“事実”をもってテクサーカナを呪われた地に見立てるのがスラッシャーの出発点として手堅い気がする。主人公女子はテクサーカナを出て他の州の大学に進学することを夢見る学生。それとともにクリエイティブライター?になる夢も持っており、テクサーカナに留まり月光殺人事件についての記事を調査執筆する(両親の死に起因した)使命的なものも感じている…という過去の清算と未来への再誕的な物語。

ドライブインシアターの長回しとか印象的なライティングやクイックショット等、地味に映像的に色んなことを試みているのも良かった。
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