2023年92本目【無間地獄】
無間地獄。絶え間なく続く苦しみ。
香港ノワール金字塔インファナルアフェアの第1作目。
荘厳な音楽と共に始まる今作は、アンディ・ラウとトニーレオンの凄まじいカッコよさを堪能できるだけでなく、常に死の危機に直面している2人の緊張感がスクリーンからひしひしと押し寄せてくるのを楽しめる。
マフィアと警察官の2人がそれぞれ潜入捜査官とスパイとして内部から掻き乱していく情報戦。まずこの構成だけで期待値が上がる。
状況に応じて臨機応変に対応する頭のキレた2人のバトルは、スピード感もあり非常に面白い。
ただのアクション映画ではない。
人の死に直面するシーンは多々ある。
それはただの脇役がいなくなるということよりもはるかに、感情に訴えかけるシークエンスや登場人物たちの悲痛や驚きの表情が見事に描き出される。
ポスタービジュアルにもなっている、拳銃を構えるトニーレオンとそれに凛と身構えるアンディ・ラウ。カッコ良すぎる。
最終的には意外な結末が待ち構え、掻き乱される我々の心情はすっきりとしない心地の良い苦しみに打ちひしがれる。
そうか、絶え間ない苦しみというものは生きていく上で避けて通れない道なのだ。
2作目へと続く。