たにたに

インファナル・アフェアIII 終極無間 4Kのたにたにのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

【妄想】2023年94本目

インファナルアフェア最終章。
本作では、善人になりたいラウの苦悩が描かれます。PTSDによって彼の妄想と現実が入り乱れ何が真実なのか分からない構成である。

すでに一作目の主要キャストであるヤン、ウォン警部は亡くなっており、警察内部でどこか孤立しているラウ。
サムを仕留めて過去に決着をつけたように思えるが、警察内部にいる潜入マフィアの生き残りに気づき、なんとか証拠を掴もうと執着するようになる。ラウ自身も潜入マフィアであったし、ヤンへの尊敬も相まって正義感のようなものが生まれていたのであろう。
もちろん、一番は過去の清算だと思いますが。

しかし、一枚上手の潜入マフィアであるヨン(おそらくヨンが潜入マフィアなのは、ラウのミスリードだが)。
ラウ自身も正確な判断ができなくなっているし、物語的には順調に進んでいるように思えるも、悲しい結末を迎えてしまいます。
最後の録音テープの演出はクールでした。

結果的には、ラウは過去の清算をできなかったということになりますね。一度踏み外した道、地獄からは抜け出せないということです。フィルムノワールとしてオチは完璧でした。

善人になりたいラウへの期待はもちろんありました。マリーと幸せに暮らして欲しかった。人生に軌道修正は可能なのでしょうか。非常に奥深い内容です。
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