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映画 ギヴン 柊 mixのYACCOのレビュー・感想・評価

映画 ギヴン 柊 mix(2024年製作の映画)
4.0
原作が完結し、ほどなくして今作の映画制作について発表があったと思う。コミックス派の私は一応読み終えて、自分の中でも完結していたのだが、前作の映画がとてもよかったので(リピートして円盤も買ってしまった…)これは映画も最後まで見ようと決意。
見る直前まで、2部作になるとは知らなかったのだが、原作未読の方はこの2部作の前編は少し物足りなかったかもしれない。
真冬と立夏のもどかしい描写が続くなか、柊MIXとあるように、この2部作の1作目は柊と玄純がフューチャーされる。
これまでも真冬の友人として出てきていたふたりではあったし、原作既読者としてはラストに向けて柊と玄純の存在が重要であることもわかっているのだが、どうにもじれったい気もしてしまう。また、個人的には、前作の春樹と秋彦が本当に自分の心に響いてしまったというのもあるだろう。
2時間で1作は難しかったのだろうか…などと思いながらも、70分という上映時間はギヴンの世界に浸らせてもらった。
本作は、出てくるキャラクターすべてを丁寧にほりさげて見せてくれる。そのため、見ている側もひとりひとりに対して深い思いをもってみてしまう。今作では柊と玄純に見ている側は気持ちをもっていかれることだろう。そして、このふたりの存在が、足踏みしてしまっている真冬と立夏にも影響を与えていくのだ。今回は大人ポジションの春樹と秋彦は、真冬と立夏に対してあたたかく見守る立ち位置だったが、何よりもふたりの関係性がとても幸せで満ち足りたものであるようで、前の映画に心奪われたものとしては本当に嬉しかった。(タバコの量を4倍で挑んだ秋彦の声をもう少し聞きたかった 笑)
そして、今作を映画でみる楽しみのひとつは、漫画原作では聞こえてこない(自分の頭のなかで妄想するしかない)音楽だ。今作もセンチミリメンタルの音楽がギヴンの世界を音楽で彩ってくれる。後編に登場するだろうあの曲も楽しみだ。
次の映画が本当に最後になるだろう「ギヴン」。最後まで丁寧にこの世界観を紡ぎ見せてくれることを楽しみに待っている私がいる。
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