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劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦のYACCOのレビュー・感想・評価

4.5
ハイキュー連載当初からあったひとつの目標「ゴミ捨て場の決戦」が映画化されると知った時、「音駒戦を見たら年甲斐もなく泣いてしまうだろうなあ」と思ったことを思い出し、ハンカチをもって鑑賞。

85分という上映時間に短いかなと思ったが、体感としてはそれ以上にあっという間だった。連載当時に毎週楽しみに読んで、連載終了時にはもう一度初めから読み直していたのでこの試合の行方はわかっていたにも関わらず、試合開始にドキドキし、研磨の作戦で追い込まれる日向の姿に見ているこちらが苦しくなったりと感情が忙しい85分だった。
音駒戦の終盤の研磨視点のシーンに象徴されるように、今作の主役は研磨といっても過言ではない。この研磨視点が何度も読んだ音駒戦に新たな感動をもたらしてくれたように思う。原作でもあれだけ心を打った音駒戦が、映像化されることで色づき、躍動し、これでもかと心動かされる描写が繰り広げられるだけでも、原作ファンならば心打たれるだろうに、研磨の心境が少し深堀されるだけでこれだけの感動を生むのかと思った。そして、改めて思う。ハイキューは、主人公たちのチームだけではなく、知れば知るほど他のチームのすべての選手が愛おしくてたまらなくなってしまうということを。勿論、贔屓の選手やチームはあるだろうけれど。
そんな風に、見ている側もいつまでもこの試合を見ていたいと思う頃、この映画も終わりを向える。そこで発する研磨の一言をどんな風に表現するのかなと思っていたけれど、原作を読んだ時、私の頭のなかにいた研磨と同じようにあの一言が聞こえてきて胸が熱くなった。

ハイキューはもう少し続くわけだけれど、TVアニメだとしても再びの映画化だとしても最後まで見届けたいと思った。
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