新潟の映画野郎らりほう

スーパーマン リターンズの新潟の映画野郎らりほうのレビュー・感想・評価

スーパーマン リターンズ(2006年製作の映画)
4.0
【ジーザスクライストスーパーマン】


地上に堕ちて逝くスーパーマンの姿勢は“十字架”だ。

その後の“死”と 人々への強い同情と戒飭の喚起。そして“再誕”(returns は 帰還と同時に 再誕/復活のダブルミーニング)。
何れもイエスキリストの表徴である。


超高度で一人 世界中の人々の声に耳を傾ける ― その痛切な孤独。
ケビンスペイシーが彼に行う虐遇行為の残酷さも“受難”を思わせる。



墜落必至の旅客航空機を 食い止める ― そこに911の壮絶な痛みと 強い願望/切望故の史実の神話化を見出だし、胸が張り裂ける。

911直後の米世情の映し鏡であると共に、聖書をはじめとする神の誕生譚への見解でもある。




《劇場観賞》