【アメリカの栄光】
常に互いを牽制し 反目し 相剋し合う“青と赤”―。
テマティスム的に見れば、それが民主党と共和党の鬩ぎ合いである事は明らかだ(黄色は日和見/無党派層か)。
成る程、ナックルズの「原始的装束を纏い フェイクニュースを只 鵜呑みする直情径行/短慮軽率」は、キリスト教原理主義/保守/タカ/銃規制反対の 過激な“レッドステイト”に見える。
と同時に、並行して描かれる「家族形成に至る“結婚”の儀式」。
その“家族”が脅かされる時、“家族”を護る為に、相剋していた“三色”は団結する(グータッチ)。
そして、青でも 赤でも 黄色でも無い色を身に纏い 燦然と光り輝くのだ―。
これこそ、家族を原初とする共同体を護る為に行使される“正義”の力 = “アメリカの栄光”である。
然しながら 強過ぎる光 “無敵のアメリカの栄光”も 強過ぎるが故に 落とす“影”もまた強い事は、最終極の“シャドウ”の登場を待つ迄も無い事は自明であろう。
その“アメリカの影”に どう落とし前を着けるのか、次回作を待ちたい。
〈追記〉
ソニック、テイルズ、ナックルズ ― CGキャラクターを向こうに 一人孤軍奮闘するキャリーが 前作同様素晴らしい。
長い口髭が整えられ 鼻腔を洗浄した後に マウスウォッシュで“完全復活”を刻印着けるDr.ロボトニク ― 本来は諧謔的場面である筈が、CGキャラクターの荒唐無稽を“生身の俳優”が 数段上回ってしまっている その衝撃と感動に、私は思わず落涙してしまった事をここに告白せねばなるまい。
身体性、マイム、演技。これぞ映画。
ジムキャリー、素晴らしい。
《劇場観賞/観賞券当選×2》