最近の映画記録、今日は「侍タイムスリッパー」をみてきた。
安田淳一監督による、自主制作の時代劇。評判が良く拡大公開となり、自分はチネチッタでデラックス版を鑑賞。
これ、かなり良かったし発見があった。
自主制作とか気にせず見ても普通に面白かった。
舞台は幕末の京都。長州藩士を闇討ちしようとする会津藩士の主人公、高坂。ところが刀に雷が落ち、気がつくと現代の太秦撮影所で…という導入。
まあ、現代人がタイムリープする作品が多いけど、侍が現代に来る話もそれなりに先例があり、かなり擦られたネタである。
ストーリーはかなりベタ。
映像については、色味やガンマ、照明はビデオっぽく、演技も少しオーバーで、Vシネ時代劇といった印象。音は劇伴がちょっと曲数不足かな。
と、技術的には普通なのだが、とにかく主人公のキャラが良い。主演の山口馬木也が素晴らしくて驚いた。
映画の導入、寺に居候する主人公の「食い物」にまつわるシーン。ここの芝居が大変良くて、自分はここでぐいっと掴まれた。
おにぎりを食い、ショートケーキを食い、TVの時代劇を見る。
この流れで、観客は主人公に肩入れして見れるようになる。ここが巧かった。
いったん観客を主人公の味方にしてしまえば、話がベタだろうが何だろうが、あとは応援するだけなのです。
「技術的には普通」と書いたが、自主制作の素人っぽさを感じる事はほぼ無くストレスなく見れる。大変立派です。
上映後は、客席から珍しく拍手が上がっていた。