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凸凹透明人間のhorahukiのレビュー・感想・評価

凸凹透明人間(1951年製作の映画)
3.8
俺は無実だ!真犯人を見つけてくれ!

脱獄してきた元ボクサーからそんな依頼を受けたポンコツ探偵コンビが、犯人を探るうちに、何故かリングの上でボクシングをすることになるおバカコメディ。しかもそれがクライマックスの見せ場だという衝撃。ユニバーサルの旧『透明人間』シリーズ第6作で最終作です。

同時代にたくさん製作されたアメリカのお笑いコンビ アボットとコステロによる凸凹シリーズと透明人間の化学反応。ユニバーサルモンスターは大概、最終作がアボットとコステロの凸凹シリーズになるのだけど、ほぼパロディ映画の雰囲気ながら軒並み高評価というある意味化物シリーズ。申し訳ないけど面白かった。

冤罪で投獄された者が自分の無実を証明するために透明化して暗躍するという発想は、2作目『透明人間の逆襲』をなぞったもの。もちろんあちらのようなシリアスなムードは一切なく、透明アイデアを全部コメディに仕立て上げている。最高なのはクライマックスのボクシング。「早すぎてパンチが見えない」とか良く表現されたりするけれど、それをそのまんまやってる感じ。凸凹コンビの片割れがリングに立ち、隣にいる透明人間トミーが相手を殴る!早すぎて見えないんじゃなくてそもそも打ってないという荒技!

なんでボクシングなのかっていうとですね。賭けボクシングで八百長して大儲けしてるクソ野郎の誘いを断ったから、見せしめでマネージャーが殺され、その罪をなすりつけられたのが発端。捕まったトミーが同じ手口をなぞることでクソ野郎を誘い出し、逆に捕まえてやろう的な超まわりくどいことをしてるわけです。透明化したら簡単に証拠握れそうだけどね。

凸凹コンビはポンコツなので、ボクシング以外はサッパリ何の役にも立たないのだけど、笑いの役には立ちまくってた。頭が悪すぎて催眠術が掛からなくて、変だな〜とかやってたら逆に無自覚のうちにお医者さんを催眠術にかけてしまうという有能なんか無能なんかサッパリわかんないことやってたし、何事?って駆け込んできた看護師さんとか警察とか全員に速攻催眠術かかっちゃって、目指す職業は探偵ではなかったんじゃないかって思った😂
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