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ジェヴォーダンの獣 ディレクターズ・カットのHKのレビュー・感想・評価

3.8
ちょうど20年前に日本公開された作品で、私は映画から遠ざかっていた時期ながら、タイトルとポスターはうっすらと憶えています。
今頃になって4Kレストアのディレクターズカットが劇場公開されるくらいだから、面白いのだろうと思って観てみたら、なるほどかなり楽しめました。

18世紀フランスのジェヴォーダン地方に謎の獣が現れて女子供を襲い100人以上の犠牲者が出たという実話にインスパイアされて創作された作品。
ナポレオンあたりと同じ時代背景の衣装や美術の中、ミステリー、歴史、ファンタジー、スパイ、ホラー、アクション要素を詰め込んだお徳用エンタメ・パック映画でした。
アクション・シーンは飛び道具よりも近接戦用武器を持つキャラが体を張って大暴れ。
謎の“獣”も動きは少々ぎこちないもののなかなか不気味な存在感を放っています。

出演者は二人の主人公をはじめ知らない俳優ばかり(これも公開当時日本で不入りだった理由とか)でしたが、かろうじて知っているヴァンサン・カッセルとモニカ・ベルッチ(当時は夫婦)の二人はなかなか印象に残る役でした。
二人のイケメン主人公のうちメインと思われた科学者フロンサック(サミュエル・ル・ビアン)よりもインディアンのマニ(マーク・ダコスカス)の方が儲け役。
女優陣の美しさもレベル高し。

今回のディレクターズカットは初公開時のオリジナル版よりも約12分長いバージョンだそうですが、初見なので違いはわかりません。
でも実はちょっと長い(とくにアクションシ-ンが)と感じたので、オリジナル版の方がちょうどよかったんじゃないかという気もします。

クライマックスのラスボス戦はまるでプレステのゲームのようでしたが、ゲームの方が本作に影響を受けているんでしょうか。
人気TVシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』にも少し似たテイストを感じましたが、こちらが先なのでやはり影響を与えているのかもしれません。

今回、ジャケ写をお願いして2週間待ちましたが珍しく掲載されないのでアップしちゃいました。これまでで洋画では初のパターンですが、複雑な事情とかがあるんでしょうか。

70年の歴史に終わりを告げ来月閉館となる中洲大洋劇場での最後の鑑賞となりました。長い間お世話になりました。復活を願ってます。
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