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荒野の用心棒 4K復元版のHKのレビュー・感想・評価

荒野の用心棒 4K復元版(1964年製作の映画)
4.3
今回のドル3部作4K一挙上映企画、はたして私の地元でも上映されるのか心配でしたが、上映開始日がちょい遅れながらもちゃんと観ることができました!
しかも3本製作順にほぼ理想的な環境で。
まずは上映関係者の皆様、ありがとうございます。

小学生の頃に初めてTVの洋画劇場で観て既に約50年が経過。
これまで何度観たのかは、もはやカウント不可能。
しかし劇場の大スクリーンで観るのは初めてで感無量です。
レオーネの主要6作品は既にアップ済みですが、被らないようにアップします。

やはりどアップが多い! 劇場のワイドスクリーンだとさらに顔がデカイ!
この顔はもう奈良の大仏クラス!
しかし、本作は何度観てもやっぱり黒澤明の『用心棒』丸パクリ。
よくもここまでというくらい細部も同じ・・・だけど面白い!
その後の作品と比べると低予算なのも一目瞭然ですが、音楽、構図、キャラクターなど『荒野の用心棒』ならではの魅力も少なくありません。

本作ではテーマ曲の“さすらいの口笛” が最も有名ですが、静かなトランペットの“荒野の用心棒”という曲も印象的。この曲、最初はレオーネが『リオ・ブラボー』や『アラモ』で使われた有名な“皆殺しの唄”を流用しようとしたところ、モリコーネがよしとせず、自分で似た雰囲気の楽曲を作ってしまったんだとか。さすがプロ根性。

ところで、本作は公開から3年後の1977年にアメリカで初TV放送された際、主人公の暴力に倫理的な正統性が無い(悪人とはいえ簡単に人を殺しすぎで当時のTVではNG)として、無理やり5分程度の幻のプロローグがつけられています(所有のDVD特典)。
その内容とは、獄中の無法者イーストウッドが釈放の代償として、ある無法の町の二つの勢力の悪党どもを一掃せよと政府(?)より指令を受けるというもの(これで皆殺しOK?)。

そのプロローグには似た風体ながらポンチョもガンベルトも完全パチモノとわかる偽イーストウッドが登場、顔の見えないアングルにセリフはナシ、たまに取って付けたようなイーストウッドの顔のインサートとまるで『死亡遊戯』のブルース・リー。
モンテ・ヘルマン監督(『銃撃』『コックファイター』)が1日で撮ったそうで、顔出しとセリフのあるのは役人役のハリー・ディーン・スタントン唯一人。
1度っきりTV放送されただけの貴重な幻のプロローグなんだとか。
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