見たで。
2024年下半期の劇場鑑賞1発目はアンパンマン映画から。

見る前からばいきんまんのファンの為の映画だって聞いてたけどこれは確かにばいきんまんが主人公の映画ですよ。何度アンパンマンにやられても彼に勝つと言う目標の為にひたすらメカニックとしてのクリエイティブ魂を燃やすばいきんまん。大人になって現実のシビアさにぶつかりすぎたらやり続ける事よりも諦める事を優先しちゃうけどばいきんまんの俺はいつも失敗してるから失敗を恐れるなっていう姿勢にハッとさせられる社会人は多いんじゃないかなと思った。

何かを成したいなら諦めるなと言うアイアンマンが如くのばいきんまんの姿にめっちゃ心を揺さぶられるしそんな彼の姿に愛と勇気を貰えた気がする自分がいる大人の為のアンパンマン映画だった。このテーマを主役のアンパンマンじゃなくあえてバイキンマンでやる意義深さ。面白かった。

知り合いに、これは神回的なことを聞いてて観に行くしかないな、と、、、神回だった、“ばいきんまん”の魂。良かった、最高。

アンパンマンの劇場版は何作か観ているが、サブタイトルに“ばいきんまん”がいる時は神回が多い気がすることに気付く。

アンパンマンの宿敵、それがばいきんまん。
この作品ができた時から存在し、常に“愛と勇気の戦士”であるアンパンマンに立ち向かってきたばいきんまん。

もはや彼のルーティンであり、ライフワークであるアンパンマンとの対峙。
しかし、何千、何万回と、あの手この手でアンパンマンに挑んできたばいきんまんであったが、惜しいところまでは何度かあるものの、一度もアンパンマンに“勝ったことがない”。

「どうして、俺様は、アンパンマンに勝てないんだ！」
それが、ばいきんまん。

そのばいきんまんがいつものように、というか、今回は冒頭のばいきんまんがやられるシーンも相手が多く、もはや“アベンジャーズ”並みに集ってくるアンパンマンとその仲間たちに瞬殺され、いつも通りブチ飛ばされる。

吹き飛ばされて帰ってきた勢いそのままに、ばいきん城で“自分が主役の絵本”を見つけ、読んでいると自分がその世界に吸い込まれ、絵本の世界の中で“ルルン”と出会う。

“ルルン”、声が上戸彩、声がめちゃかわいい。
前も別のキャラ、やってなかったっけ。

その“ルルン”の世界ではなぜかばいきんまんが“愛と勇気の戦士”として伝説化していて、その彼がやってきたので、ルルン達は一同歓喜。

これで、世界が救われる、なんでも吸い込み世界を枯れ果てさせてる巨大なゾウの化け物を打ち倒してくれる。

そんな大いなる正義の期待を背負わされるばいきんまん。
いつも通り拒否するも、彼は思い付く。
「ここには“アンパンマン”はいないから、そのゾウさえ倒せば俺の天下、だ」
これがすべての始まり。

しかし、そう簡単に事は運ばない。
ばいきんまんはいつもの世界から飛ばされた事で、ある意味、今までの“アンパンマンの宿敵”という肩書きや、アイデンティティがない。

心機一転、新天地で、覇権を築こうとやる気になるばいきんまん、、、その行動が、彼の、彼の存在意義を、自分に問うてくる展開に。

「こうなったら、アレしかない、クルル、、、アンパンマンを、、、呼んでこい！」

エモすぎる。
ばいきんまんとクルルの関係、師弟愛のようになってくるのもとてもアツい。もう途中から胸が熱くなりっぱなし。

「俺は、、、、何度だって、立ち上がってきた！」

そう、まさに、それ。
アンパンマンは、彼がいてこそ、“愛と勇気”が見出せる。

何度倒されようが、追い返されようが、懲りずに、懲りずに、何度も、何度も、決して諦めない。
そして、毎回毎回、色んなアイデアやソリューション、イノベーションを繰り返す。

ばいきんまんはバカではない。
いつもいつもやられてばかりだが、しっかり悔しさをバネにしてる。

そのここまでの“悔しさとバネ”が今回、彼の大いなる礎になる。
今回の“例のダダンダン”、最高過ぎる。
今回は正直、ばいきんまんを、彼を尊敬する。

その彼の背中を見て、ルルンも奮起する。
彼を笑うやつは許せないと思えるぐらい彼の真剣さが伝わってくる作品。アツ過ぎる。

ばいきんまん、アンパンマンには一度も勝ててないかも知れないが、一度も負けてないと思うぞ。
アンパンマンも、そんなお前を知ってるから、来たんだと思うぞ。

アンパンマンとばいきんまんの関係性。
アンパンマンも、ばいきんまんに手を貸せるのは自分しかいないと思ってて、何も言わずにやってくる。

ばいきんまんに“呼んでこい”と言われて、アンパンマンもきっと胸が熱くなってたんじゃないか。
なんだかんだと認め合ってて、ばいきんまんの窮地を見離さずに、絶対にやってくるアンパンマン。

そして、アンパンマンが身を挺して“愛と勇気”をばいきんまんに託す姿。
もう、泣くわ。最高。

でもまぁ、あのゾウ、いつも通り、ばいきんまんの“身から出たアレ”、、、まぁばいきんまんの最高にエモい勇士に免じて皆まで言うまい。

※24年3月、映画オススメブログ、始めました。
●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○
『matchypotterと映画の秘宝』
https://matchypotter.com/
作品単発のレビューはここでやっているので、こちらは企画記事メインに挑戦したいと思います。
皆さん、時間がある時にでも見に来てください。
●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○


F:2388
M:499

• #ご長寿の映画

まるでバイキンマン版Dr.STONE。
バイキンマンは知識とスキルと不屈の精神で0から1を生み出す。
アンパンマンにはできない、バイキンマンがメインだからこそ生まれた物語。
アンパンマンなんか登場はすれど後半まで一言も喋らない珍しい作品。
随所に監督のこだわりと見せ場が散りばめられた傑作！

冒頭はおなじみの楽曲からスタート。
超絶ギターテクのイントロでテンションが上がる。
そして映画といえばのヌルヌル動く戦闘シーン。
アンパン、食パン、カレーパン、だけじゃないということを見せつけてくれる豪華なアッセンブルバトル。
そしてその戦闘に入る前の、月夜に佇むアンパンマンが登場するファーストカットは最高にキザで良い。

特に戦闘シーンにこだわりを感じた。
例えば攻撃を受けて吹っ飛ぶシーン。
劇中随一の大引きのロングショットで、ズザザザザーという吹き飛んでいる音も小さめに聞かせ、遠くでその軌跡に砂埃だけが上がるという演出。
アンパンマンの映画でそれやるかね？

また、ピンチからの逆転勝利！というシンプルな構造ではあるが、その逆転が一発で終わらないのがいい。
ピンチ→逆転→ピンチ→逆転が何度か繰り返される。
それだけ今回の敵が強いということだが、やはりアンパンマンという映画でそういうことをやられると意表を突かれる感じがするとともに、充実した満足感を味わえる。

バイキンマンもアンパンマンも良い事いっぱい言う！
アンパンマンのセリフはちょっと良い子ちゃんすぎるなとも感じるけど、バイキンマンのセリフはバイキンマンが言うから沁みる、というものばかり。
バイキンマンってただただ毎回毎回アンパンマンにやられてたわけじゃない！
俯瞰的に自分が見えていて、自分がどういう人間か分かっているのだ。
だからこそ、今作屈指の名セリフ、名シーンが生まれたのだ。

今作のゲストキャラであるルルンが、ドジばかりして、結果的にバイキンマンの邪魔ばかりしてしまうが、最後の最後に、ウッドダダンダンが完成する最後のひと工程をバイキンマンがルルンに任せるというさりげない優しさが好き。
バイキンマン様！