イチロヲ

帰ってきたドラゴン 2Kリマスター完全版のイチロヲのレビュー・感想・評価

4.0
泰然自若としたカンフー使いの青年(ブルース・リャン)が、悪徳領主の強権に苦しめられている村を訪れる。悪役の倉田保昭が日本に逆輸入されることになった、香港産のカンフー・アクション。再上映では、倉田主演の歌舞伎のような新作短編が付いてくる。

"弱きを助け強きを挫く"カンフー使いが、「悪いことをやってる奴は、みんな許せねぇ!」と言わんばかりに、ドッタンバッタンと世直ししていく。開放運動を生き甲斐にしている男の"思い切りの良さ"を体感するための、純粋なるエンターテインメント。

物語の折り返し地点に入ると、チベットの秘宝をめぐる争奪戦が開始。雇われ女格闘家(ウォン・ワンシー)と悪徳領主の客人(倉田保昭)が絡んできて、男女同権バトルが展開される。手作りバイクや発火ウェポンなど、不思議ガジェットの登場が逐一面白い。

終局の一騎打ちは、倉田氏いわく「撮影に一ヶ月半を要した」とのこと。飛び蹴りの美麗なフォームと編集のカット・ワークが冴え渡っており、まるでハードコア・マッチを楽しんでいるかのようなライバル関係に、男のロマンが刺激させられる。
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