東日本大震災と福島原発事故から２年後ー。
村井は元住民のために、危険を顧みずに立入禁止区域に通い続けていた。
しかし彼にはもう一つ、ある大きな理由があったのだ。
あの日、全てを失ってしまった人に捧げる、「一歩」の物語。


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東日本大震災について考えている。

もう、15年前。私は今、ちょうどその時0歳だった子どもたちを教えているわけだがそれが今や立派に中学2年生なのだから、時が進むのは何とも早い。そして、東日本大震災を知らない彼らに当時の記憶を伝え、防災するという授業をやることになった。

中学生の頃、福島出身の友達がいて、彼は小学校の頃に差別的なイジメを受けていたということを聞いたことがある。避難するために、転校してきたのだ。
小学生の頃、帰り道に散歩している人に話しかける癖があった。犬を散歩している人に話しかけたら「犬に寄らないでほしい。福島から来ていて人間が嫌いなんだ。」と言われたことがある。それが何を意味していたのか、当時の私には分からなかった。無邪気な私に怯えていたのは本当は飼い主の方だったのではないか。
中学校の卒業式前日、福島出身の先生の「生きていてくれれば良い。そしたら会えるから。」という言葉を忘れられないでいる。

経験しなければ分からない痛みは、分かろうとしたって分かることはできない。許せない、でも誰に対してのそれなのかが分からなくて、誰も悪くないから、もどかしい。だから、この作品のジュンのように若く、夢と希望の塊みたいな少年すら無差別に襲ったあの地震を、私の言葉で伝えたいなと思う。

きついな
最後少年と男が重なって見えて、男も少年の方にいってしまったのかな？