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シャイニングのろのレビュー・感想・評価

シャイニング(1980年製作の映画)
4.8

「仕事ばかりで遊ばない。ジャックは今に気が狂う。」



つい最近、テレビで今作の裏話を拝見。母と「シャイニング観てみる?」という話に。ホラーが苦手な私は今作のネタバレを熟読し、準備万端!笑

学校帰りTSUTAYAに寄ったのですが、なかなかホラーコーナーに足を踏み入れることが出来ず(笑)隣のサスペンスコーナーからホラー映画のサ行を探し「よし、あの辺にある!」と狙いを定め、パッと手に取り足早にその場から離れました(笑)


ですが、思っていたよりも怖くなくて!
コワイ場面の中にダニーの驚いた表情(可愛い)がちょいちょい挟まれるので、なんだか笑ってしまいました。『ツイスター』という竜巻映画で今作が登場するのですが、断片的に切り取られた映像の方が怖かったなぁ。。



冬の間閉鎖されるホテルに新しい管理人としてジャックと妻ウェンディ、息子のダニーがやってくる。小説家として仕事をするジャック。ホテル横にある巨大迷路で遊ぶウェンディとダニー。3人はホテルでの生活を楽しんでいたが・・・。


まず、色彩が鮮やか!
ホテルは各階、部屋ごとに色調が異なります。エントランスには赤い柱が規則的に並び、パーティーが出来る広いゴールドルーム、青い壁紙に黄色の絨毯の廊下、家族が生活する部屋はサーモンピンクでアットホームな雰囲気、そしてジャックが幽霊に遭遇する部屋はビビッドなエメラルドグリーン。場面が変わるごとにいろんな色が楽しめる。

特にダニーがおもちゃの車でホテルの中を探検する場面は、次々と変化する廊下の色合いにウキウキ。と同時に、いつ幽霊が出てくるんだろうというハラハラ感を味わえる(笑)
水色のワンピースを着た少女2人がダニーに声をかけてくる場面ではダニーが顔を覆って震えているんですが。全く同じポーズで私も映画を鑑賞していたので「あ、ダニーとお揃いやん」と少し嬉しくなったり(笑)



そして、徐々に狂っていくお父さん。
管理人として春になるまでホテルを管理しなければならない。小説家としてアイディアをひねり出さなければならない。それらの仕事を邪魔してくる家族を養う義務もある。責任や期待、不安に押しつぶされそうになるジャックを幽霊たちがそそのかします。

印象的だったのは赤と白のトイレ。
そこでジャックは幽霊(前の管理人)と話す。
「あなたの仕事を邪魔する奥さんと子どもを”しつける”必要がありますよ」
”しつける”とはつまり殺すことなのですが、直接的な表現ではなく遠回しに上品な言い方(?)をしているところが面白い。

出口の見えない迷路をぐるぐるとさまよい歩く。
その苦しさと閉塞感。
ジャックの悶々とした悩みは巨大迷路に投影されているのかなと思いました。



斧を振り下ろす夫。
阿鼻叫喚する妻。
なんだか『サイコ』を再鑑賞したくなりました(笑)
ろ