彦次郎

バーン・アフター・リーディングの彦次郎のレビュー・感想・評価

3.0
アルコール中毒で馘首されたCIAオズボーンの妻ケイティが離婚しようと彼のCDをコピーするもフィットネスクラブに忘れたことでそこのスタッフであるリンダとチャドが金にしようと企み、ケイティと不倫進行形かつ出会いサイトで女性と出会いまくってリンダとも縁のある連邦保安官ハリーも巻き込まれ、騒動が起きるコメディ。『ファーゴ』や『ノーカントリー』で著名なコーエン兄弟監督作品です。
金と色に踊らされ入り組んだ人間模様が描かれていますが特筆すべきは多数の大物俳優が起用されていてカッコ悪さ(人間の本質ともいえる)が押し出されているところでしょう。これを良しとするかどうか、またけっこう複雑な話なのでその点を楽しめるかで評価が分かれそうな気もします。
コメディというには不倫や殺人といった殺伐さが目立つので笑いの中でも乾いた笑いともいうべきジャンルなのかもしれません。
本作好きの方(北全米興行収入初登場1位を記録し、コーエン兄弟の映画としては最大級のヒット作となっている)には申し訳ありませんが自分はあまり好きでない作品。
とはいえ例外的に印象的な人物がいるのでその部分は好きです。それはブラッド・ピット演じるチャドという軽薄な笑顔の筋肉馬鹿野郎でコイツとハリーが邂逅した末の結末は不覚にも爆笑してしまいました。クロークで目が合った時のチャドの笑顔に今までの人生が集約されているようでブラッド・ピットは名優だと思い知らされました。
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