しんしん

太平洋奇跡の作戦 キスカのしんしんのレビュー・感想・評価

太平洋奇跡の作戦 キスカ(1965年製作の映画)
3.9
実際の事件、キスカ島に取り残された守備隊約5200人を救出したキスカの奇跡を東宝オールキャストで実写化した作品。

戦争のうち撤退作戦だけにフォーカスしたもの、つまりダンケルクと同じ角度の作品なのだ。

戦歴は無く、現場叩き上げの総司令官大村少将を三船敏郎が演じた。堅物でどんな時でも冷静沈着、上からの圧力を跳ね除け、戦果を上げるのでは無くあくまで人命救出を最大の目標に掲げ続けた立派な人物を完璧に演じて見せた。
他にも志村喬、佐藤允、山村聰と大スターが集結。

東宝黄金期、特撮にもロケにも大変な資金が使われており、特撮を担当したのは円谷英二。

ダンケルクしかり、確かに戦争を美化した作品という一面もあるにはある。しかし、戦争という悲惨な状況の上で個々の命の尊厳の重要さを説いた切実なメッセージには強い反戦の思いが込められていたと感じた。