しんしん

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~のしんしんのレビュー・感想・評価

4.2
ダリウスマーダー監督作

主演は「ナイトクローラー」のあの不幸すぎる助手君ことリズアーメッド。

メタルバンドのドラムを担当する主人公はその演奏のために耳が聞こえなくなってしまい聴覚障害者になってしまう。大金を払い手術をするか、同じく聴覚障害の人々のコミュニティで生活をしていくか。

健全者の世界で障害を持って生きていくことの困難、ハードルを残酷なまでに描きながら、そこで自分の障害と共に死ぬまで生きていくとはどうゆう意味なのか、ということを丁寧に丁寧に描いた大傑作。

途中途中の重要なシーンで音響が主人公の聞く音になる。この音というモチーフは映画の音響と合わさり、セリフで語らずして主人公の状況や心情を表現するという大変に高度な演出をしていた。そして、ラスト彼が自分の障害を精神的に乗り越えた結果として選び取る答えというものがこの音と深く結びつき強い実感となって現れる。

これはね、まじで映画館のちゃんとした音響で見たかったやつ。