本作の監督ジア・アンガー自身が監督した『Always All Ways, Anne Marie』という映画の制作の裏側を劇映画調に語りなおす試み。そもそも『Always All Ways, Anne Marie』自体が彼女の人生を基にした映画であるため、「彼女の人生を基にした映画の制作現場の様子を基にした映画(そしてそれを劇映画として語りなおすこと)」という多重構造図式となっている。 そのようなメタフィクションを用いた実験演出は至るところで見られるものの、普通にドタバタ映画撮影劇として面白い。望み通りの演出が製作陣に上手く伝わらず、次第に人が離れていくあの空気感......