かじられる

Love Letterのかじられるのレビュー・感想・評価

Love Letter(1995年製作の映画)
3.8
今までどれほどの人と出会い、どれほどの別れを告げたのか。これからどれほどの人と出会い、どれほどの別れを迎えるのか。共通するのは向こうが消えるか、こちらが消えるかだけ。

ぼくらは普段当たり前のように誰かと話をする。ある日相手が突如この世から姿を消すとも意識せず。ましてやそれが愛する人であったならば。ただ想いの丈を叫ぶしかない。叫び、泣き、胸の内を晴らし、届かない手を伸ばすしかない。

声にならないラブレター。悲しみを枯らすことで人は前を向く。ぼくらはやがて忘れ、忘れられる。でも想いが浮かぶ度、何かを触媒にして静かに側に舞い降りる。どこにでもあって気付かないだけの奇跡。

「お元気ですか?こちらはなんとかやっています」

2017.9.28<決定稿>
かじられる

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