かじられるさんの映画レビュー・感想・評価

かじられる

かじられる

「キレイ」と思える瞬間に出会いたくて映画を観ています。

映画(179)
ドラマ(0)

幼な子われらに生まれ(2017年製作の映画)

4.2

いつからか、
お祭りの金魚のように、
生きているのか、死んでいるのか、
分からない家族がいた。
抱えた闇をふくらませ、
歌えない歌を今日も歌ってる。

僕はくぐもった目で視線を逸らし、
その場限りの言
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シンプルメン(1992年製作の映画)

3.8

男なんて単純だ。
相手が美人と来りゃ、膨らんだ欲望を尻目に平然とした顔つきしてやがる。そのくせ上手くいかなくなると愚痴をこぼして、聖母マリアのような女を夢見てる。そんなのばっかだ。俺も人のこと言えない
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アイスと雨音(2017年製作の映画)

4.0

殴られた気がした。空が並列に見えたから倒れているのが分かった。

「お前はいつも足りてない」

74分ワンカット。少年少女の舞台に対する想いが燃焼する。切れ目ない毎日は一生を綴る。生きるのも舞台に立つ
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パターソン(2016年製作の映画)

4.1

スマホでは簡単に過去になってしまうから、ノートに詩を書きとめた。

ふとした符丁に感覚を委ね、瞬時を言葉に封じ込める。

見慣れた車窓。
バーでの一杯。
妻との会話。

繰り返される日々は大差なく、訳
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夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

4.5

ご縁の糸に導かれ、辿りつくは、ここ京都。

巡り巡るは、マティスさながらの原色、小洒落た役名、言い回し。ファンタジーはそのまま楽しむ王道ひるがえし、3度観るに考えるは、あに図らんや、題名の意味合い。
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パロアルト・ストーリー(2013年製作の映画)

4.2

この街は澄んだ空気があるだけで乾き切った心が割れていることに誰も気付かない。

張り付くような痛みにただ座ってキミを目で追うだけで焦りは逆走行し、やりきれなくなって途中で降りたんだ。
ハートを刻んだ木
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最高殊勲夫人(1959年製作の映画)

4.1

最初から決まっていたこと。

当時の結婚観は男は外で働き、女は家庭を守るみたいな風潮?
出てくる会社の女性群、みな将来性のある男性ばかり血なまこになって探しておられる 👩‍💼
男性陣も負けじと見目麗し
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シングルマン(2009年製作の映画)

4.0

それは静謐な一日。昨日と同じ日常。

死を決意した差異が世界を寒色に染め上げる。

忘れられない愛した男。目に映る命は細部に本質を宿す。

全てはスローモーションで迫り、来たるべき最期を祝祭する。
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花筐/HANAGATAMI(2017年製作の映画)

4.8

夢か現か幻か。

昭和16年。唐津。大学予備校に通う鵜飼(満島真之介)、吉良(長塚圭史)、俊彦(窪塚俊介)、その叔母である圭子(常盤貴子)、従妹の美那(矢作穂香)などを巡る群像劇。迫り来る戦争の影の中
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ル・アーヴルの靴みがき(2011年製作の映画)

4.2

そそとした感動がぽろぽろと。

地位や身分に囚われず、
偏見や情報に惑わされず、
ただ手を差し伸べる美しさよ。

たとえ貧しくとも二輪の花を捧げる、豊かなる夫婦の愛よ。

あらゆる虚飾を取り払った心の
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.8

告白します🌀

・雑貨屋でサングラスを買い、レンズをくり抜いて伊達メガネで仕事してます(コンタクト装着済み)。
・緊張するとお腹が減るので絶えずお菓子を忍ばせ、どこでもかじります。
・クリスマスが怖く
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パリ、恋人たちの影(2015年製作の映画)

3.7

影が淫らに踊るのを眺めていた。うわべだけの想いは沈黙の中で窒息しそうだったから、余計に言葉を吐いて殺してみた。

自分なんてもの、酔いしれて。
言い訳なんてもの、付け足して。
現実に背いて息を吸う。
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そうして私たちはプールに金魚を、(2016年製作の映画)

4.1

友情や恋愛が分からなくて、
くたびれた日常しか映らなくても、
私たちには限られた面積のプールで泳ぐことしかできなくて、
行き場をなくした衝動が、海ばかり探してる。
深夜に放った金魚が真っ黒に見えたから
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トリュフォーの思春期(1976年製作の映画)

4.1

駆け出す子供たちは命の奔流だ。

今も昔も変わらない、どこにでもあるような、いつか見たような景色。

トリュフォーが描く子供たちはみな個性の手足を伸ばし、生命力に溢れている。

一人一人の服の色や柄が
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映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

3.8

都会の輝度を決めるのは、いつも孤独の方だ。人混みに紛れるほど眩く虚しく映り出す。

吐かれる言葉はいつも言い訳に過ぎなくて、冷たい過去が小さく震えてる。

世界なんて半分見えればいい。喜びも悲しみも十
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キャロル(2015年製作の映画)

4.4

瞬時に魅入った瞳には、互いの情熱が映り込んでいただろう。

冷静をよそに、孤独と孤独が色濃く落ちている。

テレーズ(ルーニー・マーラ)とキャロル(ケイト・ブランシェット)にぶれはない。ただ自分らしく
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南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

4.5

なんかね、
とりとめのない日常の中でも、
なんにも考えてないつもりでも、
色んな考えがクラゲみたいに浮遊してて、
ふとした瞬間に誰かの気持ちとぶつかって、
この人のこと好きなのかな、好きじゃないのかな
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スウィート17モンスター(2016年製作の映画)

4.3

自意識は自意識。
走っても転げ回っても影のように付いてくる。

でもネイディーン(ヘイリー・スタインフェルド)のいじらしさと言ったら ( ^ω^ )

悪態をついたり虚勢を張るのも、弱い自分を守るため
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彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

4.1

さて、

昔から綺麗な人に限って、どうして変な男性に夢中になるのか分かりませんでした。
確かに色気あって、イケメンでお金持ちだけど、どうなん?雰囲気的にどうなん? 絶対浮気するよ、DVまがいだよ、と思
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女は女である(1961年製作の映画)

4.8

「ライト、カメラ、アクション!」

アンナ・カリーナの掛け声で始まる本作。なんとラブコメ。あの巨匠ゴダールがラブコメ。しかも主演アンナ・カリーナとの結婚を控えていたためか、いたる所で

「うちの嫁さん
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三度目の殺人(2017年製作の映画)

3.9

自分の顔を見たことがありますか?

僕らは鏡やガラスを使ってしか自らを認識することができない。
顔色さえ光の加減によって微妙に色彩を変えていく。そこに立つのはあくまで仮の姿。百度立てば百度とも違う顔。
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あの頃ペニー・レインと(2000年製作の映画)

4.3

どこまで夢か分からなかった。
一歩踏み出したら、世界は一新していた。

15才。

その透徹な眼差しは危機を迎える中堅ロックバンドに一陣の涼風をもたらす。ウィリアムの真摯な姿勢はメンバーの懐に至る。
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奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール(2017年製作の映画)

3.6

惚れてる男は女々しい?

誰だって思わせぶりな態度を取られりゃその気になるし、気取った余裕も消える。
曲線で撫でるようなヒップライン、コンパスのように伸びる脚、ミカエルの菱形。美貌は魔術。見す見す現れ
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

4.1

待っていたのは温かな歓迎ではなく、堅固な壁だった。

12年という歳月。
12年という沈黙。

みな大人になり、かつての「家族」は不可思議な蜃気楼と化す。

昔の家。
いつかのガールフレンド。

終末
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ぼくの伯父さん(1958年製作の映画)

4.1

子供は正直。

時計の針のように態度をハッキリ示す。

いつも家に来る度にジェラールは飛び出してついて行く。

大好きなユロ叔父さん(監督ジャック・タチ本人)。

モダンアートのように瀟洒で配色に富ん
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そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)

4.2

砂時計には上下がない。ただ砂の落ちていく方が下だと思い込んでいるだけ。

達夫(綾野剛)、千夏(池脇千鶴)、タクジ(菅田将暉)の抱え込んでいる闇は深い。

過去のトラウマに怯える男、身体を売って家族を
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

3.9

舞うような夢が中空をさまよい、瞬いている。
目を凝らしても見えない弾けんばかりの原色。今にも歌い、踊り出したい希望に縁取られ。

邂逅した二人の夢は想いを添え、魅入られたようにステップを繰り出す。
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アズミ・ハルコは行方不明(2016年製作の映画)

3.7

うん、
確かに女性の方がカテゴライズされがちですね。アラサーとかJKとか。性的な意味合いもあるし ( ˙-˙ )

グラフィティーアートのアズミハルコ(蒼井優)は当然嘆きを殺すように何も語らない。記号
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お嬢さん(2016年製作の映画)

4.1

それにしても、何ゆえに男性が抱く企てはいつも猥雑なんでございましょう。夢うつつで余所見していらっしゃる。

蛇を隔てて収集された猥本の数々は脳髄に潜む欲望そのもの。朗読など、力と従順で生み落とされたお
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月曜日のユカ(1964年製作の映画)

4.5

誰とでも寝る女性は誰とも寝ていない。

ユカ(加賀まりこ)は男を悦ばせ、尽くすことこそ女性の本懐だと信じている。無邪気で気儘、コケティッシュなユカに男たちは狂喜する。

夢打つような娼婦性。

だがユ
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台北の朝、僕は恋をする(2009年製作の映画)

4.1

灯される鮮やかな提灯。
台北の夜は優しさを撫でる。

カイ(ジャック・ヤオ)はパリに留学した彼女に会いたいがお金がない。仕方なく運び屋のバイトを引き受けるが…


現れるは謎のオレンジスーツ軍団 (・
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永い言い訳(2016年製作の映画)

4.5


気持ちは嘘を含むから信用できません。誰が好きで、どれくらい好きかよく分かりません。自己愛はいつも甘いのでしがみついています。

でも振り返ったらもうあの人はいませんでした。

生きることは何かを選ん
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ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

4.3

「結局、若い子が好きなんでしょ」
「いや、人によりけりじゃない?」
「嘘ばっかり」

前にある女の子とそんな会話をした。西日を避けるふりをして視線をそらす。手元にはこぼれ落ちそうな本音。

「でも肉体
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友だちのパパが好き(2015年製作の映画)

4.0

この映画変です Σ(゚д゚lll)
単に友だちのパパを好きになった女の子の話じゃないです。

普通見せたい所を見せるためにカメラ回しますよね。でもこの作品ではわざとじらすような演出やカメラワークがばし
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わたしはロランス(2012年製作の映画)

4.9

すぐに思い出すだろう。
やがて凝固するだろう。
時の洗礼の中で。

結末はいつも予感のようにくすぶり、幸せな時間さえ侵食する。
約束リストごっこ
カミングアウト
気まずいレストラン

痛みや苦しみが合
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何者(2016年製作の映画)

4.1

「就活」が終わっても舞台は続く。膨らんだりへこんだりする自意識。

SNSで何かを批判しては悦に入り、くすんだ気持ちは空回り。共感される度、自己愛だけが浮かれてく。

ふやけた言葉は真摯な眼差しの前で
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