かじられる

さよなら、ぼくのモンスターのかじられるのレビュー・感想・評価

3.9
広がる地平線に逃げ場所はない。足さえ動かず過去やトラウマに捉われるなら、いつまでも子供。メイクで忘れたいことを隠せるなら、少し楽ですごく残酷。切り取られたきみの瞳に、未来を覗いてはいつも落ち込んでいた。

夢も欲望も、灰色に染まればいつもひとり。素顔が、消したい記憶が、あやふやにフィルターをぼかす。赦すことが、誰かを、ぼくを、解き放つ光だと教えてくれたきみを強く憎みます。

きみが好きです。素直になれないほど鮮やかに世界を刻んでしまう、きみが好きです。昨日を置き去りにできない悔しさに、せめて惜別の代わりの花束を贈らせて。
かじられる

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