ペコリンゴ

KIDS/キッズのペコリンゴのレビュー・感想・評価

KIDS/キッズ(1995年製作の映画)
3.9
記録。
堕ちていく「子供」たち。

ラリー・クラークの監督デビュー作。元来写真家であった彼が当時弱冠19歳であったハーモニー・コリンの脚本を映像化した作品。

「当時だから」ではなく今見ても充分問題作。タイトルに偽りなく、本作に登場するのは年端も行かないティーンたち。そんな彼らがセックス・ドラッグ・アルコールに溺れる退廃的な日常を描き、更には社会問題となっていたHIV感染の惨さをも上乗せ。年頃のお子さんがいる方は見ない方がいいかもしれない。

キャストはスケーター等、演技経験の無い本物のティーン、もしくは見た目的にティーンにしか見えない20歳そこらの若者たち。何もかもが荒削りだがそれが逆にリアルに見えて仕方がない。ドキュメンタリーと勘違いされるのも頷ける。

初めての男性にHIVをうつされてしまう少女役のクロエ・セヴィニーやその友達役のロザリオ・ドーソンのその後の活躍はご存知の通り。一方で自殺、或いはドラッグの過剰摂取で若くして命を散らしたキャストも。故人に対してこんな事言うのもアレだけど彼らが演じた役からすればこれもまたリアル。

大した盛り上がりもオチも無い映画だけど、惹きつける魅力があるのは分かるなぁ。