カツマ

12モンキーズのカツマのレビュー・感想・評価

12モンキーズ(1995年製作の映画)
3.9
この映画を見ると、ノストラダムスの大予言に代表される世紀末の世界終末論を思い出す。終末の日、空は深き灰色。心のどこかで最悪の事態を恐れていた。
テリー・ギリアムが生み出したこの作品の中では、世界を終末へと導いたのは細菌兵器だった。大予言よりも遥かに現実的な終末が大地を真っ白に染めた未来。ブルース・ウィリスは時の旅人となり、愛する人に出会い、自らの夢の正体を知る。12モンキーズとは?夢の中の人物は果たして誰なのか?謎が謎を呼び、終末という名の崖へと転げ落ちる世界に、再び新しいサイコロを振らせようとする物語。

時は2035年。1996年のウィルス散布は人類の99%を死滅させ、大地は真っ白に枯れ果てた。残された1%の人間たちは地下に潜って生きることを余儀なくされ、ウィルスに対抗するワクチンを生み出すための研究に没頭していた。
囚人のジェームズ・コールは強靭な肉体と記憶力を買われ、タイムマシンで1996年へと遡りウィルスの正体を突き止める任務を与えられる。
しかし、彼が飛ばされたのは1990年。タイムマシンは故障していたのだ。そこで精神科医のキャサリンに出会うも、ジェームズは精神病棟に入れられてしまうことになり・・。

精神病棟で出会う患者ジェフリー役をブラッド・ピットが演じているが、これは彼のキャリアの中でも屈指の頭のおかしい役柄!どこまでもぶっ飛んでいるが、さすがはブラピといったところか、笑えるほどハマっている(笑)
(このブラピの役を見て、初見だと思っていたこの映画を実は昔見ていたことに気付いたほどインパクト大!)

過去と未来を行き来するタイムトラベル映画のため、時系列は激しく入り乱れているが、最後までの伏線回収率は非常に高い作品!ラストに待ち受ける運命を、彼は、彼女は、変えられるのか。世界の終末のギリギリ手前、ビッグバンへのスイッチが押される瞬間、シンクロする未来と過去と、そして現在。夢はデジャブのように、逃げようとしてもどこまでも影のように追いかけていく。
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