馬井太郎

ドッジボールの馬井太郎のレビュー・感想・評価

ドッジボール(2004年製作の映画)
3.4
スポーツものは、演技というより、タイミング・段取り・アップ・カットなどが勝負のポイントになる。ボールを投げる・避ける・当たる・受け止める、しかないアクションは、比較的単純に見えるけれど、実際にやってみると、けっこう難しいことがわかる。
頼りなさそうなヴィンス・ボーンと、悪役ベン・スティラーが好対照で面白い。
何気なく観ていて、あるシーンがきたとき、はっと、びっくり仰天、眼を疑った。ランス・アームストロングの姿が映ったのである。ツール・ド・フランス、7連覇の偉業と、彼の単行本とで、当時世界中のロードレーサー憧れの的だった。この映画制作年では、6連覇中だったろうか。
元気のないヴィンス主将に、ドリンク店のカウンターで励ましの言葉を与えて、静かに去っていく、ただそれだけだったが、彼を知る自転車ファンなら、興奮のシーンだったはずである。
後に薬物使用により、そのタイトルは取り消され、自転車界から除名された。
スティラーの狂ったような悪役もいいが、興奮度を一層高める観客エキストラの演技もよく観ていただきたい。スポーツ映画には、なくてはならない存在だから。