彦次郎

現代やくざ 与太者の掟の彦次郎のレビュー・感想・評価

現代やくざ 与太者の掟(1969年製作の映画)
3.5
出所してスリに全財産を掏られた勝又五郎を助けた荒尾組若頭福地鉄男との仁義を中心にした任侠映画。菅原文太の東映移籍後初主演作品で「現代やくざシリーズ」の第1作とのこと。この時菅原文太氏は35歳前後だったと思いますが年齢以上の渋さとヤンチャな若さも示すという相反する要素を同居させているのが魅力的です。
ヤクザ映画なのですが出演陣が志村喬、若山富三郎を始めとする大物揃いだけでなくヤッパの政(山城新伍)の弟分のゴロ竹とまさるも各々小林稔侍と石橋蓮司が演じており東映の意気込みを感じました。愚連隊を結成して喧嘩に明け暮れるのかと思いきや融通手形をだまし取ったりするなどサブタイトルの『現代ヤクザ』らしい展開でした。そんな中で古風に男を通す福地がカッコよかったです。
大暴れして負傷後に運ばれても「死んでたまるか」と反骨の魂を残す勝又のキャラが菅原文太氏に合っていました。普通に考えれば命は助かっても死刑に処されそうですが…、次回作があるなら気になるところです。
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