このレビューはネタバレを含みます
先の展開が予想できない映画が好きな私にとってこの作品はまさに最高の映画。だってこれから起こる事が予想できないんだから。
発端となるストーリーは簡単。同姓同名の金持ちと間違えられたボウリングが趣味の無職中年デュードことジェフリー・リボウスキが悪漢にカーペットを汚され、金持ちのジェフリー・リボウスキに弁償してもらおうという話である。
しかしこの映画が面白いのは主人公のデュードはただカーペットを弁償して欲しかっただけなのに、周りの人間が曲者だらけなせいで何一つやろうとしていることが上手くいかないという所だ。
特にデュードのボウリング仲間ウォルターは酷い。何かといえばすぐ銃を持ち出したがるコイツのせいで映画としては1時間で済む話なのに尺が倍に伸びている。
話が思い通りにいかない原因としてはデュード自身の自堕落さも関係しているように思えるが、観ていくにつれ何かにつけてすぐホワイト・ルシアンを飲みたがる彼を羨ましく思えるから不思議。彼のも彼の周りの人間もどうしようも無いのだがなぜか笑えてくるのだ。
映画の展開としては「この後こうなるんだろうなぁ」というセオリーをことごとく裏切った「何でそうなるんだよ!」、「ダメだろそれ!」の連続なので全く飽きることは無い。次第に脳が考えるのを止めるだろう。自然体で楽しむだけ。個人的にはドニーが死ぬところとデュードとウォルターがドニーの遺灰をモロに浴びるところで大爆笑した。お前が死ぬんかい。
オープニングで流れる「Tumblin' Tunbleweeds」からエンディングまでずーっと気楽に楽しめる映画だと思う。金曜か土曜の夜に酒(出来ればホワイト・ルシアン)を片手にのんびり観たい。そんな映画だ。