カツマ

ビッグ・リボウスキのカツマのレビュー・感想・評価

ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)
3.9
とんでもない勢いで転げ落ちていくかと思いきや、ひょんなところでバウンドして、あり得ない姿勢で着地を決める。そう、その男の名はリボウスキ。同名の金持ちがいるがそっちのことじゃない。仕事無し、金無し、葉っぱ好き。そんなぐうたら人間こそが、ビッグな男、リボウスキだ。

コーエン兄弟は『ファーゴ』や『オー、ブラザー』のように劇中にコメディ要素を忍ばせるのが定番だが、この映画はというともはや完全無欠のコメディ。豪快に滑っても御構いなしの強靭なメンタルを誇り、諦めない強い心がついに自分からも大文字の爆笑を引き出した。
ひたすらにバカバカしいのに嫌いになれない、そんな映画です(笑)

〜あらすじ〜

その男の名はジェフリー・リボウスキ、またの名をデュード。無職で趣味はボーリングくらいしかない、本格的なニートである。
ある日、彼の家に金目的の強盗が押しかけてくるも、もちろん彼の家にはお金など無い。侵入者たちは同姓同名の大富豪、通称ビッグリボウスキと間違えて侵入してきたのだった。男たちはデュードのお気に入りの絨毯に小便をして去っていったのだが、デュードにとっては災厄でしかなかった。
そこでデュードは、その災厄の根源でもある富豪リボウスキの元へと突撃し、手頃な絨毯を奪取。それで事態は鎮静するかと思いきや、今度は富豪の妻の誘拐事件に巻き込まれてしまい・・。

〜見どころと感想〜

とにかく全キャラクターの個性が抜群に濃い!デュードのボーリング仲間ウォルターは、やたらと声がデカくてキレやすく、ユダヤ教の安息日(サバト)には働かないなど、謎のこだわりを貫く男で、彼が絡むことによってストーリーはどんどん悪い方向に転がるようになっていく(笑)

ジュリアン・ムーア演じる富豪の娘もぶっ飛んでるし、ウォルターに冷たくされ続けるわりに最後の最後に身体を張った爆笑シーンを生み出す我らがブシェミのインパクトもデカい。エイミー・マンやフリーなどアーティストもチョイ役で出ていたりと小ネタも多彩で、遊び心は端から端まで満開だ。

公開当時は評価が伸びずに苦しんだ作品だったが、いまやカルト映画として独自の地位を確立。妄想と現実の狭間で揺れる正義も悪もシェイクする、怒涛の爆笑(または失笑)の連打をぜひとも体感してみよう(笑)
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