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汝、星のごとく
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目次

汝、星のごとくの作品紹介

汝、星のごとくのあらすじ

美しい海と空が広がる、瀬戸内のとある島。 島に転校してきた男子高校生・櫂(横浜流星)と、この島で育った暁海(広瀬すず)。 ともに家庭に恵まれず、わだかまりを抱える2人は、互いに唯一の心の支えとなり、恋に落ちる。 夢を掴むために上京する櫂と、家族のために島で働く暁海。 そんな2人に、無情にも突き付けられるいくつもの“岐路”。 15年の大恋愛の末に、2人のくだした決断とは。 「わたしは愛する人のために人生を誤りたい。」

汝、星のごとくの監督

藤井道人

原題
公式サイト
https://nanji.toho-movie.jp/
製作年
2026年
製作国・地域
日本
ジャンル
恋愛
配給会社
東宝

『汝、星のごとく』に投稿された感想・評価

愛する人がいても、自分の人生を選ばなければならない人たちの物語だ。

瀬戸内の小さな島で出会った櫂と暁海。
横浜流星演じる櫂は夢を追って島を離れ、広瀬すず演じる暁海は家族のために島に残る。

好きだから一緒にいられる。
そんな単純な恋愛ではない。

2人には、それぞれに背負わされた家族がいて、それぞれに捨てられない人生がある。だからこそ、愛し合っているのに同じ場所にはいられない。この映画が描いているのは「結ばれるか、別れるか」という恋愛の二択ではなく、誰かを愛しながら、自分の人生をどう生きるのかという選択。

そして今作、藤井道人監督自身がこの作品を「30代最後の作品」と位置づけていたことが非常に興味深い。

これまで「男の子」を描く作品が多かった藤井監督が、今回は暁海という一人の女性がどう自分の足で立って生きていくのかを真正面から描こうとした。脚本の安達奈緒子とともに、原作をそのまま映像化するのではなく、あえて余白を残し、観客の想像力に委ねる構成を選んだという。

だからこの映画では、説明されない感情が多い。「なぜこの人はこんな選択をしたのか」を全部セリフで説明するのではなく、表情や沈黙、視線、距離感で見せていく。

その中心にいるのが、広瀬すず。
彼女の演技がとにかく素晴らしかった。

暁海という人物は、決して派手なヒロインではない。むしろ、自分の人生を自分で選べない状況に置かれ続ける女性。それでも、広瀬すずはその弱さをただ「かわいそう」に見せない。10代の少女だった暁海と、30代になった暁海は同じ人物なのに、同じ顔ではない。その変化を広瀬すずが身体ごと演じている。

一方、横浜流星の櫂もまた、この作品に対する覚悟が凄まじい。

役柄として、肉体的な変化から横浜流星は、櫂を「演じた」というより、15年間という時間を身体に刻み込んでいた。若い頃の櫂の瑞々しさから、人生の重みを背負った後半の櫂まで。その変化を見ていると、単なる恋愛映画の主人公ではなく、「一人の人間が生きた時間」を見ているような感覚になる。


そして個人的にかなり印象的なのが、松村北斗演じる尚人だった。

通常であれば“恋のライバル”として配置される立ち位置ではあるが、むしろ櫂とは別の形で人生を理解し、暁海とも違う距離から人間を見つめている存在だからこそ、作品に厚みを与えていた。松村北斗の演技も、派手に感情を爆発させるタイプではなく、一見すると何気ない仕草や会話の間に、その人物の人生を感じさせる。


そして、この映画で忘れてはいけないのが「時間」の表現。

本作は15年間を3つの章に分け、それぞれでカメラまで変えている。
第1章ではEOS 7D、第2章ではALEXA、そして第3章では35mmフィルム。さらに音も、ステレオから5.1ch、そして再びアナログ的な質感へと変化していく。これは単なる映像的な遊びではなく、時間が過ぎることで、人間の記憶そのものが変化していくことを表現しているように感じた。

特に35mmフィルムを選んだ第3章が、「一度しか撮れないもの」という意味で“もう巻き戻せない時間”と重なっているのが面白い。映画そのものが、櫂と暁海の15年間を記録した一本のフィルムになっている。

そして、その時間を象徴するものとして何度も登場するのが花火。
2人にとって花火は、単なる夏の風物詩ではない。一緒に見る約束であり、思い出であり、そして離れていても2人をつなぎ続ける記憶でもある。
美しい映像がただ“映える”だけではなく、15年間という時間そのものを風景に刻み込んでいた。

そしてタイトルの「星」。
公式でも、原作者の凪良ゆうは、人はそれぞれ心の中に「一番星」を持っていると語っている。恋人でも、家族でも、親友でも、ペットでも、記憶でもいい。苦しいときに思い出す存在、それがその人にとっての星なのだという。
そう考えると、この物語の“星”は、必ずしも「最後に結ばれる相手」を意味しているわけではない。

遠くにいるからこそ見えるもの。
もう触れられないからこそ、ずっと心に残るもの。それが星なんだと思う。

櫂と暁海は、お互いの人生を必ずしも幸せな形にできない。それでも、相手と出会ったことで、自分の人生を少しずつ前に進めることができた。

だからこの映画は、「愛する人と一緒に生きること」を肯定するだけの作品ではない。愛する人が、自分の人生を歩いていくための光になることもある。

横浜流星と広瀬すずが演じる2人の15年間を見届けたあとに残るのは、恋が成就したかどうかではない。「あの人と出会った人生でよかった」と思えること。そして、遠く離れた場所からでも、誰かの人生を照らし続けられること。

それこそが、この映画が描く「愛」なのかもしれない。
コ
4.8
東宝様のご招待でひと足お先に。

ものすごく良い作品だった。
・選べない親の元で生きた10代
・格差によって関係が歪んでしまった20代
・本当の愛を互いに認識できた30代
終始目から涙がこぼれ落ちていた。

色々細かく感想を書いていきたいところですが...
ネタバレになってしまうので簡潔に。

今治の綺麗な景色に二人の純粋な心が重なって素敵だったし、
15年の時を経たストーリーを2時間15分におさめると大概は中だるみしてしまうことが多いけど、この作品は一切それがない。
高校時代も、華やかで歪んでしまった20代も、儚い30代も、全ての年を経ていく過程集中して見ることができた。
これは、最初に二人の似た苦しい生い立ちをきちんと描き切っていたからなんだと思う。

主演の二人も凄く良かった。
横浜流星さんは安定の演技力。
広瀬すずさんはこういう素朴な幸薄系の役がハマるかも?と新たな発見。
松村北斗さんも安定のお芝居。
尾野真千子さんもあの役ハマっていたし、
何よりも木村佳乃さんが木村佳乃さんだと、じっくりみないと気づかないくらいの風貌で演じていらした。

藤井監督の演出と、役者の皆さんのお芝居が一体となり、苦しい中に優しさもあって、凄く良い作品でした。
snow
5.0
2022/4/1に正式にカウント開始してから56冊目
最初はイベント盛り込みすぎじゃない?って思ったけど、トータルいい話だったな。
自分の好きな歌の歌詞や、漫画のセリフの通りだなと思いました!
・無駄なことは一つもない。全ての挫折に意味がある。遠回りしてるようで、これが自分にとって望んだ一番の近道 by Seamo
・やらずに後悔するより、やって後悔した方がマシ by Major

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