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話したりない夜の果て Days gone byの作品紹介

話したりない夜の果て Days gone byのあらすじ

心が折れたある時から、立ち直り方を忘れてしまった主人公・妙子。 過去を言い訳に漫然と今をやり過ごす日々に生きる気力を失っていた。 精神的にも生活においても依存していた彼氏・コタロウとの関係が変化していく中で、妙子はようやく自分の心の内と対峙することになる。

話したりない夜の果て Days gone byの監督

上村奈帆

話したりない夜の果て Days gone byの出演者

矢島理佐

安楽涼

菅原雪

仲村唯

二見悠

日高ボブ美

原題
製作年
2025年
製作国・地域
日本
上映時間
79分
ジャンル
ドラマ

『話したりない夜の果て Days gone by』に投稿された感想・評価

3.5
単館での期限付き上映という、私が手を出してしまう作品であったので、足を伸ばして鑑賞。

ポスターやあらすじからは、どのような話なのか想像できなかった。
コロナ絡みの停滞と再生の物語だった。

舞台挨拶での話によると、もともとはコロナ前に撮影を開始したが、コロナで中断され、コロナ禍の影響を作品に反映すべく脚本を変更して完成させた、とのこと。

この作品が伝えたいメッセージはよくわかったが、私にはちょっと刺さらなかったな…。

学生時代の演劇仲間役で出演した日高ボブ美さん。
芸名もさることながら、キャラクターも演技もかなりインパクト。
この作品で1番印象に残った。
とにかく丁寧な映画だと感じた。
誰もが経験したあの閉鎖的な息苦しさと
もがきの中での幻想を丁寧に描くことによって
グッと心を持っていかれた。

タイトル大好きです。
「話したりない夜の果て days gone by」
話したりない。その苦々しさの果てと"話す"ことで生まれる心の歩み寄りと開放感を今作で存分に味わった。days gone byも素敵ですよね。響きがかっこいい。訳すと"過ぎ去りし日々"。儚いね。

この作品どのカットも構図が素晴らしいなと。
鑑賞中、演者との空気感を勝手に共有してました。自分もこの同級生達の一員と錯覚させられた。

ある言葉が出てくるんですが人生の真髄だなって思った。

これは沢山の人に観て欲しい。
めっちゃ面白かったです。

登場人物が全員魅力的で、俳優の皆さんが素晴らしいということだと思うのですが、私は特にコタロウのあり方に目と心を奪われました。
元気だったコタロウが鬱のような状態になってしまったとき、存在として本当にそういう状態にある人と直感させられて、凄まじかったです。


序盤、タエコが布団の上にいて、コタロウがそれを見ている。あるいはコタロウが布団の上でテレビを見ていて、それをタエコが見下ろしながら妹に子どもができたことを伝える。寝転がる身体とそれを見る顔。1つの狭い部屋の中だけれど、2人はまるで別の空間にいるようにすら感じました。
しかし、夜、2人は同じ布団で身体を寄せ合って眠る。タエコはそこでコタロウに明日は家にいてと頼む。その後終盤ではコタロウが布団から動けなくなってしまうのですが、ラストで畳の上に寝転がる2人は、不思議と同じ空間にいるように感じます。

学生時代の回想を通して、話足りない夜とは例えば演劇仲間達との鍋の時間や落ち込んだ時に座る夜の公園のブランコの時間のことなのかなと想像させられますが、アサミら他のメンバーが公園の向こう側に見える都市=社会に進んでいったのに対し、タエコとコタロウは、鍋やブランコの時間の延長線上にある畳の部屋に取り残されているかのように感じます。

話足りない夜の果てにあるのは、昼間になっても布団から動けない時間。あの時のみんながこの部屋にやってきてくれればいいのにという願望でエモく終わるのではなく、身動きのとれなくなった現実の残酷さが映画の中にどーんと横たわり、遠景になぜか決して辿り着くことができなさそうに感じる熱海旅行が置かれます。

現実について、絶望についての物語だと、私は思いましたが、希望を想像することを信じる人達が作り上げた映画でもあると感じました。

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