このレビューはネタバレを含みます
【差別との向き合い方】2023年18本目
女子寄宿学校で教師をする2人の女性。
カレン(オードリー)とマーサ(シャーリー・マクレーン)。
"邪悪な子供と邪悪な老人"の噂によって、学校から次々と生徒たちが出ていき、閉鎖に追い込まれてしまいます。
その噂とは、カレンとマーサが夜な夜な恋愛関係に勤しんでいるというもの。
当時の同性愛者は差別対象で、新聞にも掲載され、国中に広まるほどの大きな話題になっていた。まるで見せ物かのように、学校には見物人が彼女達を馬鹿にしにきます。
そのようなデマを流した張本人である生徒の女の子の演技は憎らしいほど見事。
ろくな大人にならないだろうというほど憎らしい。
2人のストレスは募りに募って、カレンの恋人とともに法的措置をとることになるのですが、、
カレンの恋人はもちろん彼女を信じていたのだろうが、噂に踊らされ確信を持てていなかったことが分かる。
そしてマーサは、カレンのことを恋愛対象として見ているという本心を打ち明ける。
三人の本心がこれまでの葛藤をさらに複雑にし、自分自身に閉じこもるようになってしまいます。特にマーサはそうでした。
近づきたいけど近づけない。
心の揺れが自らを責めることになってしまい、自殺してしまうのです。
この終わり方。辛い。
今の感覚だと、批判的な意見が飛び交いそうです。
まだ多様性の意識が高くない1960年代にこの映画を作った冒険心が心に響くのです。